事例
数年前に、急な出費で生活費が足りなくなり、消費者金融から20万円を借りた。
その後、家族が急病になり、別の消費者金融や銀行のカードローンでも借り入れしてしまい、今は借金の返済のために借金をするという自転車操業の状態になっている。どうしたらよいか。
アドバイス
◆借金の問題は必ず解決できる方法があります。自分の借金の状況を把握したうえで、弁護士や司法書士に相談しましょう。
◆債務整理の方法としては、弁護士や司法書士による「任意整理」と、裁判所の手続が必要な「特定調停」「個人民事再生」「自己破産」があります。
◆総債務額、現在の自身の収入や資産状況等により、どの債務整理の方法が良いのかを判断する必要があるので、資料をそろえて一日も早く専門家に相談しましょう。
解説
1 任意整理返済を続けていくことを前提とした債務整理の方法。現在残っている債務を、利息制限法の利率で計算しなおし、債務者の収入や支払能力に応じて、事業者と支払条件を交渉する方法。
2 特定調停
簡易裁判所で行う生活の立て直しを図るための手続き。支払いの目途が立つことが前提条件。調停委員会で生活の状況やこれからの返済方法などを話し合い、債権者全員の合意が得られることが条件なので、合意が得られなければ斡旋不調になる場合もある。
3 個人民事再生
住宅ローンを除く債務の額が5000万円以下で、「今後の安定収入が見込める人」を対象として、生活の再建を行う。住宅ローンの延長が可能なため、住宅を手放さずにすむが、住宅ローンの返済は免除されない。
4 自己破産
債務額が多額で返済の見込みがない場合に利用する債務処理の方法。不動産などの一定額以上の財産を処分して再出発する方法。手続きは、裁判所に申し立て、破産決定をしてもらい、その後、免責の申し立てを行って免責決定を受ければ、税金などを除く全ての債務がなくなる(ギャンブル等の借金は免責されない場合もある)。
信用情報機関に事故情報として登録されるため、一定の期間は借金やクレジット契約ができなくなり、クレジットカードも作れない。 返済の目途が立てられないまま、「借金返済のための借金をする」という自転車操業を繰り返すと、債務は雪だるま式に膨らみます。 出来るだけ早く、自身の総債務額を把握し、自分にとって一番適切な方法を見つけて、生活の再建に向けて、スタートを切りましょう。