事例
4ヶ月前に契約期間1年間の全身脱毛エステ12回コースを契約し、代金30万円はクレジットの12回払いで支払い中。
施術はまだ2回しか受けていないが、先月予約を取ろうとしたら、電話がつながらなかった。
先日、この脱毛エステ事業者が破産手続きを開始したというハガキが破産管財人から送られてきた。今後、どのようにすればよいのか。
解説
脱毛エステの契約は、特定商取引法で規定されている「特定継続的役務提供契約」に該当するので、
クーリング・オフ制度のほか、中途解約時の取り扱いなどのルールが定められ、消費者保護の制度が適用されます。
しかし、そういった法律の適用があっても、契約相手の事業者が倒産してしまうということは、それらの権利を主張する相手がなくなるということです。事業者が倒産し、裁判所により事業者の破産が確定し破産管財人が選任されると、破産管財人は、事業者が所有する財産を集めて現金化し債権者に配当しますが、税金や従業員の給与等の支払いが優先されるため、一般債権者である契約者への配当はほとんど期待できないケースが多いです。
また、個別クレジットの契約(支払い期間が2か月を超え、割賦販売価格が4万円以上)で、今後の支払いが残っている場合には、すぐにクレジット会社に対し、契約しているエステ事業者が倒産したため、今後施術が受けられなくなったことを申し出て、支払い停止の申し出の手続き(「支払停止等のお申し出の内容に関する書面」を送付する)をして下さい。
現金やクレジットカードで既に全額支払い済みの場合は、残念ですが被害の回復が図れないケースがほとんどです。
また、このようにエステ事業者が倒産した場合、「その事業者の契約者が希望するのであれば、うちで引き続きエステサービスを提供する」という事業者が現れる場合もありますが、倒産した業者との契約を、すべてそのまま引き受けてくれるのではなく、追加金を求められたり、新たな契約が前提であったりするので、新たに契約するかどうかはよく考えてからにしましょう。
エステティックサービスの契約では、契約した施術が終わらないうちに新たな契約を勧められるケースが多いですが、契約期間が長期にわたる高額の契約は、リスクが高いので、慎重に判断しましょう。
低料金をうたい文句として客を募集している、 前払いチケットのまとめ買いで大幅割引になるといった宣伝をよく見かけますが、そういった値引きはどこかに無理があることになります。
サービス料金の安さに飛びつくことには、注意が必要です。