19歳の息子が先輩から誘われて、マルチ商法の契約をしたことが分かった。

事例

19歳の息子が先輩から誘われて、マルチ商法の契約をしたことが分かった。

19歳で大学生の息子が、先輩から割の良いバイトがあると勧められ、マルチ商法の会社に会員登録をした。

契約を勧められた時、「お金がない」と断ると「消費者金融で借りればよい」と言われ、50万円を借入れして、FX取引に関する情報の入ったUSBを買ったらしい。

友だちを紹介すると高額のマージンが入ると言うが、マルチ商法であればやめさせたい。

アドバイス

◆勧誘方法と、契約後の活動の状況から、マルチ商法である可能性が高いと思われます。

◆マルチ商法は「特定商取引法」で「連鎖販売取引」として規制されています。

業者は契約者に契約書を渡す義務があり、クーリング・オフ期間は契約書又は商品を受け取ってから20日間と定められています。

その期間が過ぎてしまっていても、中途解約ができます。

◆しかし、19歳は成年であるため、本人に解約の意思がなければ、親の意向だけでは解約はできません。

解説

マルチ商法は、商品やサービスの契約をして販売組織に加入し、今度は自分が友人や知人を誘って組織に加入させることで紹介料(マージン)等の利益が得られ、その組織を連鎖的に拡大させていくという商法です。

ネットワークビジネスなどともいわれ、いかにもこれからの時代を見据えたビジネスのように説明され、「時間に拘束されずに自分のペースで活動ができ、絶対儲かる、すぐに元が取れる」などと勧誘されますが、大半は聞いていたような収入は得られず、借金だけが残ってしまいます。

最近は、「いろいろな業種の人との人脈ができる」「起業の勉強ができる」「就職に役立つ」などといった言葉で誘うケースも増えています。

活動を始めるにあたり、まずは身近な友人から誘うことになるので、人間関係も悪化しかねない問題の多い商法です。

単なる商品やサービスの売買契約ではなく、契約した場合は「自らも販売活動を行いそれにより利益を得る」という契約なので、その契約の是非をじっくり検討できるようクーリング・オフ期間は20日間と定められています。

更にその期間が過ぎてしまっても、(会員登録後、1年以内の退会であれば)商品を引き渡された日から90日以内で、再販売していない未使用品の解約返品ができ、この場合の違約金は商品の1割が上限です。

また、組織に入会した会員が、友人や知人を勧誘する際に、禁止行為を行った場合は、処罰の対象となります。

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