女性特有のがん編

10月10日は「奈良県がんと向き合う日」親子でがんについて話し合ってみませんか?

「若いから大丈夫」と思っていませんか?

近年、「子宮頸(けい)がん」は20歳代から30歳代の女性に増加しています。
また、「乳がん」は30歳代から増加し始め、50歳前後の女性をピークに急増しています。
がんになると、大切な子宮や乳房を失う危険性、さらには命を脅かすことになってしまいます。

どんな病気?

子宮頚がん

  • 日本人女性の84人に1人がかかる。
  • 原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染。女性のほとんどがHPVに感染するといわれているが、感染しても、90%以上は体から自然に排除されるため、がんになるのはごく一部。
  • 体からのシグナル
    • 早期は無症状→進行すると…
      • 不正出血
      • 性交時出血
      • おりものの異常 など

イラスト:子宮頸がん

乳がん

  • 日本人女性の16人に1人がかかる
  • 体からのシグナル
    • 早期は無症状→進行すると…
      • 乳房のしこり、くぼみ
      • わきの下の腫れ など

注)2部位以上にまたがる症状があるため、合計は100%を超える

乳がん

早く見つける方法は? まずはがん検診を受けましょう!

予防できないの?

  • 子宮頸がん予防ワクチンが、昨年12月から婦人科などで接種できるようになりました(医療保険がきかないので原則自己負担)。
  • 子宮頸がんの約70%を予防します。
  • 対象は、10歳以上の女性で、6か月間に3回接種します。
  • ワクチンだけでは全ての子宮頸がんを予防できないため、市町村などの検診を定期的に受けることが大切です。

一言アドバイス

乳腺外科部長細井孝純(たかすみ)先生

全済生会中和病院乳腺外科部長 細井孝純(たかすみ)先生にお話を伺いました。

乳がんは乳房内の乳腺組織からできる悪性腫瘍で、自分で見つけることができる数少ないがんのひとつです。早期発見して治療すれば、より高い確率で完全に治すことができます。早期発見の秘訣は、月に1回の自己検診の習慣を身につけること、そして40歳以上の方は定期的にマンモグラフィ検診を受けることです。鏡の前で乳房の形をチェックすることで、普段とは違う乳房の変化に早く気づくことができます。

<2010年県民だより10月号掲載>