ますます訪ねたくなる奈良
重要文化財に指定されている「獅子閣」は、明治17年(1884年)に落慶された洋風客殿。建設にあたり大工の棟梁を務めたのは、聖天堂再建の際に大工として働いていた越後出身の吉村松太郎で、「獅子閣」建設を実現させるために横浜へ3年間留学した。外観や細部の装飾などは洋風だが、室内には和室も用意されている。吉村氏が横浜で学んだ洋風建築の技術に、当時の宮大工の技術とセンスを盛り込んだ、全国的にも注目が集まる建築物だ。
総2階建てで、玄関の上部と南側にはベランダも。玄関を入ってすぐは、板の間の洋室。正面から左側には、和室も用意されている。2階へと続く階段は螺旋状で、手すりをはじめ柱には細かな装飾が施されている。この装飾、西洋の建物の場合は石やレンガで表現されている場合が多いが、「獅子閣」ではすべて手彫り。さらにつやつやと輝く漆喰の壁は、人の手により磨かれているという。この辺りにも、宮大工ならではの繊細で丁寧な仕事の一端を窺い知ることができる。
洋室の奥には上部がアーチ型の窓と扉があり、扉には色ガラスがはめ込まれている。赤・青・緑の色ガラスを通して外を眺めると、それぞれの窓が四季の景色を演出する。どの色にいつの季節を感じるかは、見る人次第だろう。
- 重要文化財 宝山寺「獅子閣」の特別公開 -
見学は特別公開時のみ。特別公開の開催日時については、宝山寺までお問い合わせください。
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宝山寺
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歩く際の楽しみ方
宝山寺は、生駒山の中腹にある山岳寺院。そのため、境内の所々に奈良のまちの景色を見下ろせるスポットが存在する。歩き疲れたら、美しい景色を眺めながらひと休みするのもオススメ。そしてもう一つ、寺院内では「交差した大根」と「巾着袋」の柄に、さまざまな場所で出会う。これは、歓喜天の好物であるという大根と、手に持っている砂金袋を表したもの。ゆっくりと歩きながら、これらの柄を探してみよう!
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歩くまえに知っておきたい宝山寺にまつわる物語
宝山寺の歴史と中興開山 湛海律師
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