【宝山寺】荘厳な建築とノスタルジックな雰囲気を味わう
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「多宝塔」から「奥の院」へと続く石段は、その両端にお地蔵様がずらりと並ぶ。石段の途中には、「大師堂」や「子安地蔵」のお堂が。上を見れば杉をはじめとした背の高い木々。いかにも山歩きという趣があり、歩を進めるごとに爽快さを感じる。一つ一つ違うお顔立ちのお地蔵様を、じっくりと拝見しながら歩くのもおもしろい。
一見険しい道のように感じるかもしれないが、「奥の院」までは10分とかからない道のりなのでご心配なく。
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木々に囲まれたこの道 の風情に、癒される人も多いのでは。
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石段を登りきった先の「奥の院本堂」。
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宝山寺の中興開山 湛海律師は、正徳6年(1716年)の1月16日に88歳で世を去られた。明和6年(1769年)に建立された「開山堂」には、77歳のころのお姿とみられる湛海律師の木像が祀られている。
「開山堂」の裏手にある「開山廟」は、二世湛清和尚によって建てられたもの。湛海律師は宝山寺があるこの山で、仏の悟りに近づく修行の成就を祈り、また、様々な行を続けた。そして生駒の生き仏と呼ばれ、多くの人々に今なお尊敬されている。
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「開山堂」に安置されている中興開山湛海律師像。そのお姿は、60歳ころとされている。
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「奥の院本堂」よりさらに奥の「大黒堂」から見渡す景色。
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独特な風情を持った寺院建築が見られる宝山寺で、特に目を惹く擬洋風建築「獅子閣」。こちらは明治17年(1884年)に、客殿(迎賓館)として建てられた。棟梁は越後の宮大工・吉村松太郎氏。宮大工による建築ということもあり、外見は洋館だが、瓦屋根であったり、漆喰の壁であったりと、日本的な部分も多く見られる。室内も、飾り付の柱や色ガラス、洋室など西洋的な部分がある一方、床の間や和室など、和風的な面をあわせ持っている。
洋と和との特徴がうまく混じり合った、全国的にも注目が集まる建築物だ。
>> さらに詳しくはコラム「明治に建てられた客殿 重要文化財・獅子閣
の魅力」へ
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参道を歩く
歩く際の楽しみ方
歩く際の楽しみ方
宝山寺は、生駒山の中腹にある山岳寺院。そのため、境内の所々に奈良のまちの景色を見下ろせるスポットが存在する。歩き疲れたら、美しい景色を眺めながらひと休みするのもオススメ。そしてもう一つ、寺院内では「交差した大根」と「巾着袋」の柄に、さまざまな場所で出会う。これは、歓喜天の好物であるという大根と、手に持っている砂金袋を表したもの。ゆっくりと歩きながら、これらの柄を探してみよう!