ルート概要
大峯山脈の北端・吉野山と南端・熊野の二大聖地を結ぶ約180キロメートルの尾根道は、大峯奥駈道と呼ばれ、6本ある熊野古道の中でも最も古い信仰の道である。修験者の開祖・役行者が拓いたといわれるこの奥駈道には霊場が点在し、行者たちにとっては今なお、最高の修行場となっている。山中には、熊野本宮大社の証誠殿を第一靡とし、吉野山の北にある柳の宿の第七十五靡まで、75か所の行場・拝所がある。また、熊野から吉野へのルートは「順峯」、吉野から熊野へのルートは「逆峯」と呼ばれる。スタート地点である玉置神社は第十靡で、ここから熊野本宮大社までは吉野山から続いた険しい修験道のクライマックスである。山在峠、吹越峠、七越峠の3つの峠を越えると、やがて本宮大社の旧社地である大斎原が見える。杉の森に囲まれぽっかりと大きく開いた空間には、神聖な空気が漂う。ここまでくれば本宮大社まではすぐである。