ルート概要
熊野参詣道小辺路(こへち)は、真言密教の総本山・高野山と熊野本宮の二大聖地を結ぶ、全長72キロメートルの参詣道。高野山から本宮へは「熊野道」、本宮から高野山へは「高野道」と呼ばれていた。伯母子峠、三浦峠、果無峠という1000メートル級の峠を3つも越えるハードなルートだが、高野山と本宮を最短距離で往来できるため、多くの参詣者が通った。高野山の中心部にある金剛三昧院の参道から小辺路が始まり、大股からは急なつづら折れの坂が続く。十津川村に入ると、まず小辺路で最も標高が高い伯母子峠(おばことうげ)を越える。頂上からは360度のパノラマを眺めよう。さらに三浦峠までの道を行く。途中、吉村家跡や三十丁石などがある。最後の難所、果無峠(はてなしとうげ)への道は急だが、石畳が残り古道の雰囲気を味わえる。八木尾まで降りると、熊野本宮大社まで2時間ほど。裏手にある祓所王子で昔の参拝者は旅の汚れを払い清めたという。