斑鳩宮と飛鳥京を結ぶ、聖徳太子の往来道・太子道

ルート概要

聖徳太子が舎人(とねり)・調子麻呂(ちょうしまろ)を従えて愛馬・黒駒(くろこま)に乗り、斑鳩宮から飛鳥京へと通った太子道。筋違道(すじかいみち)とも呼ばれるこの道で、聖徳太子ゆかりのスポットを巡る。まずは法隆寺へ。境内には、調子麻呂と黒駒の像がある。法隆寺から東へ進み、業平橋を渡って、さらに線路も越え住宅地の中を抜ける。しばらく南へ向かうと聖徳太子創祀といわれる飽波(あくなみ)神社が見えてくる。さらに南へ進み、常徳寺の手前を左に曲がると田んぼの中に立つ油掛け地蔵が目に入る。地蔵前のあぜ道を南下し、水門を右に曲がって川西町に入る。道なりに南へ進み三宅町に入ると、屏風杵築(びょうぶきつき)神社と白山神社が向かい合った場所に鎮座している。それぞれの神社に、聖徳太子の逸話が残っており、黒駒にまたがり飛鳥へと通っていた聖徳太子に思いをはせることができる。

作家が歩いた道
スタート:奈良交通 バス停 法隆寺前>黒駒・調子丸像(法隆寺境内)>飽波神社>油掛け地蔵>屏風杵築神社>白山神社>橘寺>ゴール:近鉄飛鳥駅

スポット紹介

黒駒・調子丸像(法隆寺境内)

法隆寺の展示室の入り口近くにある馬屋の中には、聖徳太子の愛馬・黒駒(くろこま)の手綱を引く舎人(とねり)・調子丸の像が安置されている。『聖徳太子伝暦』などの太子伝によると、598年(推古天皇6)に聖徳太子が諸国から献上された馬の中から甲斐の黒駒を選んで、調子丸に飼育させたのだとか。また一説では、調子丸は百済からの渡来人で、多くの舎人の中でも常に太子の側に仕えていたといわれる。
【住】生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1

飽波神社

飽波神社聖徳太子創祀と伝わる東安堵、西安堵の総鎮守社。境内南側には太子が座ったといわれる「御幸石(みゆきいし)」がある。また太子がこの辺りを黒駒で通った時、どこからともなく多くの雀が集まって太子の前で舞い、太子が大変喜んだという伝承も残されている。このエピソードにちなみ、本殿には雀の姿が刻まれ、今でも神社では雀を神の使いとして大切にしている。ほかにも雨乞いのための「なもで踊り」の絵馬や衣装、道具など(県指定文化財)が保存される。
【住】生駒郡安堵町東安堵1379
【時・休】境内自由

油掛け地蔵

油掛け地蔵1523年(大永3)に造立され、聖徳太子が飛鳥から斑鳩へ向かう時に通った道添いにある地蔵。舟型光背のある高さ約61㎝の地蔵菩薩立像で、聖徳太子が斑鳩へ向かう途中休息した際に念仏を唱えたところ、空中に生身の地蔵尊が現れたため、その像を彫ってこの地に安置したという伝承がある。地蔵の名は、願をかける際に油を掛ける習わし(燃灯供養)があることと、当時この地が水害が多かったため油を掛けて水をはじくようにということに由来する。また、この地蔵をきれいにすると病気になり、地蔵に掛けられた油を塗るとできものが治るという。
【住】磯城郡川西町大字吐田
【電】0745-44-2214(川西町教育委員会総務課)
【時・休】参拝自由

屏風杵築神社

屏風杵築神社出雲大社(杵築大社)系の神社で須佐男命(すさのおのみこと)を祀る。拝殿には民俗学的資料として貴重な「おかげ踊り」の絵馬が奉納されており、この絵馬は県の有形民俗文化財の指定を受けている。また拝殿には「聖徳太子接待」の絵馬も奉納されている。拝殿北側には、聖徳太子が黒駒に乗って斑鳩に行く途中にこの地で休息した際、舎人・調子丸の持つ弓で地面を穿ち、湧き出る水を飲んだと伝えられる「屏風の清水」も残る。
【住】磯城郡三宅町屏風
【電】0745-44-2001
【時・休】境内自由

白山神社

白山神社屏風杵築神社の向かいにあり、杵築神社とともに聖徳太子ゆかりの神社として有名。白山神社には、聖徳太子が太子道を進んでいる途中で休息をとり食事をしたという「腰掛石」や、愛馬・黒駒をつないだ「駒つなぎの柳」が残っている。向かいの杵築神社拝殿には、その情景を描いた絵馬がかかる。また「屏風」という付近の地名は、村人が太子をもてなす際に屏風をたてて風を防ぎ、接待したことから名付けられたといわれている。
【住】磯城郡三宅町屏風
【電】0745-44-2001
【時・休】境内自由

橘寺

橘寺昔ここには橘の宮という聖徳太子の父・欽明天皇の別宮があり、その中の馬小屋の前で太子が生まれたといわれる。また、太子が勝鬘経(しょうまんきょう)の講義を行った時、どこからともなく降り積もったといわれる蓮の花を埋めた「蓮華塚」がある。この塚の広さが大化改新の時、1畝(せ)という広さの単位の基準とされたことから、「畝割塚(うねわりずか)」とも呼ばれる。本堂には重要文化財の「聖徳太子勝鬘経講讃像」が安置されている。
【住】高市郡明日香村橘532
【電】0744-54-2026
【時】9:00~17:00(最終受付16:30)
【¥】大人350円
【休】なし

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