がん患者さんの要望を受けて、運転免許証の写真について医療用帽子の着用が認められました。


すでに着用を認めている県も多いですが、警察によって対応がまちまちでした。
「帽子をかぶった写真が認められなかった」とがん患者の切実な声もあり、警察庁は2018年6月15日、帽子の着用が原則認められていない運転免許証の写真について、抗がん剤治療などで頭髪が抜けた人には医療用の帽子の着用を認めることを通達しました。

現行の施行規則は、運転免許証の写真について「無帽」と明記されていますが、今回の通達により、医療上の理由がある場合、顔の輪郭が識別できる範囲内で、頭部を布などで覆う医療用の帽子の着用が認められるようになりました。
また、かつらやウィッグなどの着用についても同様に認めるよう明記されました。

さらに、警察庁では免許証の写真について相談を受けたり、帽子をかぶっている理由を確認したりする場合は、相談室で個別に話を聞くなどプライバシーに十分配慮するとしています。



運転免許証の写真について



実際の運用としては、衣服で顔が隠れていたり、サングラスやマスク、幅の広いヘアバンドを着用したりすることは認められていません。



医療用帽子とは

医療用帽子とは、抗がん剤使用などにより頭髪を失ってしまった人が被る為の帽子です。
医療用帽子は額の上部から後頭部までをしっかりと覆えて、種類によってはカツラのように髪の毛がついているものもあります。

医療用帽子が使用されるのは、見た目を良くするためだけではありません。
髪の毛の本来の役割は頭皮を守ることであり、抗がん剤や白血病で髪の毛を失ってしまうと頭皮に直接日光やチリが当たることになります。
医療用帽子は、頭皮への刺激で皮膚がんや敏感肌になるのを防ぐという役割も担っていて、髪の毛の代わりをしてくれるアイテムです。


医療用帽子1   医療用帽子2