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  • 2024.05.11

    幼児アートプログラム 「そざい あそび まなび展 vol.2」を開催しました。

    2024年3月19日~4月7日に「そざい あそび まなび展 vol.2」を開催しました。


     

    奈良県では、奈良っ子はぐくみ条例に基づき幼児向けアートプログラムを行っています。

    作品を完成させることを一番の目的にせず、創る過程で子どもが何をしたいのか、どんな発見があるのかという心の動きを尊重して、その子どもがもっているものを引き出すことを大切にしています。

    幼児向けアートプログラムでは「そざいきち」「て でかんがえる」の2つの事業を行っています。

    「そざいきち」は0-6歳の未就学児を対象に、自然の素材や身近なものなどを使用し、素材との出会い、あそびを楽しみ、「て でかんがえる」は就学前の5-6歳の子どもたちが、奈良の文化や素材に触れ、みんなで相談し、考えながら探究や創作活動を行います。


    今回の展覧会では、作品や写真を通して1年間の子どもの様子を展示するとともに、職員が日々の活動をまとめ、読み解いたドキュメンテーションの展示を行いました。また、会場内に来場者が挑戦・発見ができるような「やってみよう」コーナーを設けました。

     

    そざいきち

    「みち・あと」:室内に仕掛けられた柱や紙管、フックなどにスズランテープやリボンを通したり、引っかけたりして自分の「みち」を作り、痕跡を残すプログラム。

    「いろいろぬるぬる」:見て質感を想像し、触れて確かめ、絵の具を通して現れる表現を楽しむ、感触を意識したプログラム。

     

    「みち・あと」コーナーでは、スズランテープを工夫して「みち」を作るもまだ物足りない様子。会場内を見渡し「調べる道具」として置いていたメジャーがひもになることに気がつき、みちを増やすことができました。

    「いろいろぬるぬる」コーナーでは、布で覆われた中身を手の感触で考えたり、自分の好きな触り心地を探したりする姿がありました。

     

    て でかんがえる

    「vol.3 和紙」「vol.4 蚊帳生地」:素材の特性を知り、自分が興味を持った事について探求し、仲間と発見や体験を共有したことを大人に発表をしました。和紙は吉野町で作られている宇陀紙、蚊帳生地は天理市で作られているものを使用しました。

     

    「蚊帳生地」コーナーでは、繊維に興味を持ち1本ずつ引っ張ることに夢中な姿があり、生地を触る感触と繊維を丸めて触る感触の違いに気がつきました。

    「和紙」コーナーでは、身近にある紙(コピー用紙や画用紙)と感触が違うことを発見し、ちぎる時にいつもより力が必要で何度も試す様子がありました。

     

      

    また、来場者が蚊帳生地や和紙をつなぎ合わせた「つなぐ」の作品では、素材同士を結ぶ・道具を使い捻る・挟む等、様々な表現がありました。


    県内外から一般の方はもちろん、教育関係者の方もたくさんご来場いただき、取り組みについて貴重なご意見もいただくことで職員も学びの多い期間となりました。

    疑問に思ったことも検索すればすぐに答えが見つかる時代。子どもに聞かれて、すぐに答える場面もあるかもしれませんが、まずは子どもと一緒に考える時間を作ること。成功すると達成感につながり、挑戦して失敗してもこの経験がしっかりと自分の糧になって、生きる力の「根っこ」がどんどん大きくなると思います。

    この展覧会を通して、子どもも大人も探求することの楽しさや面白さを一人でも多くの方に感じていただけていれば嬉しく思います。


    5月1日(水)から7月28日(日)まで、そざいきち「ぎゅっとする にゅっとでる」を開催しています。

    また、教育関係者向けに実践事例紹介を予定しています。たくさんの方と交流ができることを楽しみにしています。