文化村クリエイション vol.4 山本糾
第3回 現場レポート 2023.11.29
10時文化村集合。山本さん、撮影の奥田さん、遠山の3名です。前回すでに一度撮影を行った吉野川へ、より良いものを求め改めて出向きました。吉野川に惹かれたのは、山からの距離が比較的離れている区間があり、陽の光が均一に川面に映ること。作品の画面がフラットになるよう曇天で撮影をする、という点は今回も同様です。
前回撮影した地点に到着してみると、川の水量が少なく撮影できそうにないとのこと。川を下りつつ撮影できそうな場所を探し、少し撮影をしましたが、思うようにはいかなかったようです。普段の撮影では1週間以上車で方々を回っても撮りたい場所が見つからないこともあり、同じ場所でも水量や天候に大きく左右されるため、何日も待機をしたり、何回も訪ねながら撮影することも珍しくない、とお話しされていました。
何が作品になるか、撮影できるかできないか、言葉にはできないけれども明確な判断基準が山本さんの中にあることが見えた一日でした。
文:遠山きなり
(なら歴史芸術文化村アートコーディネーター、文化村クリエイション企画者)
■「文化村クリエイション vol.4 山本糾」について
写真家・山本糾(やまもと ただす)さんを招聘し、7~10月に数回の撮影と、2024年1~2月になら歴史芸術文化村(=文化村)で、新作を含む展覧会を開催する予定です。
「文化村クリエイション」は新作の創作を行うと同時に、創作を開いていくことを試みています。創作の過程には、必ずしも作品に表れない発想のかけらや逡巡があります。一見無駄とも思える部分へ宿る豊かさに、触れるきっかけとなることを目指しています。
山本さんの創作を開く方法として、今回はドキュメンタリー映像を制作しています。映像作家・奥田しゅんじさんが初回の撮影から同行し、その様子を映像撮影しています。
山本さんは一貫して様々な形態の水をモノクロで撮影し、宇宙の大きな力を捉えようとしてきました。これまで全国各地で撮影をしてきた山本さんは、奈良でどのような作品を制作するのでしょうか。
展覧会「宇宙の中心にある水」
2024年1月23日(火)~2月25日(日)