手話パフォーマンス演劇 空の旅団 公演「ブンナよ、木からおりてこい」
なら歴史芸術文化村では、障害のあるなしに関わらず、表現する楽しさを体感する機会の創出を目指しています。今回は「空の旅団」と協働し、手話パフォーマンス演劇の公演とワークショップを行います。手話パフォーマンス演劇を通して、広くろう文化や手話言語の魅力を発信すると共に、「観る」「知る」「触れ合う」「感じる」ことにより、表現することの豊かさを体感できるプログラムです。
公演では、水上勉の名作「ブンナよ、木からおりてこい」を上演します。主人公を通して、生きることの葛藤や喜び、命のつながりの大切さなど、さまざまな心情や心象風景を表現していきます。子どもから大人までたくさんの方々に観ていただきたい作品です。手話、身体表現、字幕を駆使した独自の世界観をお楽しみください。
また8月には、空の旅団による身体表現ワークショップも開催します。詳細は7月以降にお知らせしますので、ご期待ください。
■あらすじ
ある寺の沼に住むトノサマ蛙のブンナは、跳躍と木登りが得意。やせっぽちで汚くしているのが、長生きの秘訣だという老蛙の教えも聞かず、もっと広くて平和な場所にあこがれます。ある日、ブンナは衝動を抑えきれず椎の木のてっぺんに登ります。たどり着いた場所は、土が積もり居心地がよく天国のようでした。しかし、椎の木のてっぺんは、恐ろしいトビの餌置き場でした。そして、トビにつかまったスズメ、モズ、ヘビ、ネズミが次々とこの場所にやってきます。達成感から一転して絶望感と後悔に苦しむブンナ。果たしてブンナは生きることができるでしょうか。
■「空の旅団」プロフィール
「空の旅団」は、奈良県立ろう学校演劇部OB・OGを中心に構成する劇団。演劇部で培った理念「表現の世界に障害の壁はない」を継承し、全国高校生手話パフォーマンス甲子園優勝経験のある演劇好きの卒業生が再び結集し、持続可能な劇団として2021年4月1日に結成。「翔け空へ『表(ひょう)言(げん)』の壁はない」(『表』は表現、『言』は言語を意味する)をモットーに活動している。昨年度は、奈良県みんなで楽しむ大芸術祭オープニングイベント、クロージングイベントに出演し、今年1月には、旗揚げ自主公演を行うなど手話言語やろう文化の魅力を発信中。