■vol.5 伊庭靖子
2月のある日曜日、アーティストの公開制作とスタジオトークを行いました。
アーティストは「文化村クリエイション vol.5」として2023年秋から文化村で創作活動を行う画家・伊庭靖子さん。伊庭さんは20年以上にわたり、陶磁器や模様のあるクッションなどのモチーフを写真に撮り、それをもとに精細な油彩画を描いています。具体的なものを描きながらも、ものの質感が前景化するように制作しています。
週末ごとの公開制作がスタートした昨年12月初めから、隔週日曜日に開催してきたスタジオトークはこの日が最終回。制作途中の作品や制作に使われる道具が間近に並ぶスタジオで、伊庭さんが自身の創作について語りました。
「何を描くかを手探りしていた頃、写真のピントの合ったところからボケているところまでを丸ごと描いてみた時に、ピントのボケや薄さ、軽さなど、写真の質感そのものがモチーフになることを見つけました」
「もともと手触り感が好き。革のものとか、ふわっとしたものとか、猫も好きですし…」
画風にも通じる伊庭さんの心地良い語り口に触れると、文化村のホームページ
https://www3.pref.nara.jp/bunkamura/item/3218.htm#itemid3218
に分かりやすくまとめられた伊庭さんの表現の変遷が、「ああ、そういうことなんだ。」と肌感覚で伝わってきます。
伊庭靖子 公開制作「伊庭靖子の見かた、描きかた」スタジオトーク