藤原京から平城京へ続く、大和の縦の基準線・下ツ道

ルート概要

古代の官道のひとつに数えられる下ツ道。7世紀頃に造られたというこの道は、橿原市の見瀬丸山古墳の前面を起点とし、藤原京の西四坊大路(現在の橿原市八木付近)から、奈良盆地の中央をまっすぐ北へ進み、平城京の朱雀大路(現在の平城宮跡)に至る。発掘調査によると道幅は25メートルもあったというから、旧都を結ぶ軍事や物資輸送などに使われたのであろう。今回のコースでは中間地点の二階堂駅から北の平城宮跡に向け、下ツ道推定位置をたどるように歩く。大和郡山市周辺では田の中に環濠(かんごう)集落の遺構が見られる。さらに北上すると、大和郡山市と奈良市の境界付近に位置する羅城門跡にたどり着く。その後、西北に向かうと、近鉄九条駅前に平城京の官営市場・西市跡がある。ここまで来れば平城宮跡はもうまもなく。大通りを北上すると、朱雀門が目に入って来る。

作家が歩いた道
スタート:近鉄橿原神宮前駅>二階堂地蔵堂>稗田(ひえだ)の環濠集落>羅城門跡>平城宮跡>平城宮跡 東院庭園>ゴール:近鉄大和西大寺駅

スポット紹介

二階堂地蔵堂

二階堂地蔵堂聖徳太子の妻・膳夫姫(かしわてひめ)が養母の菩提のために建立した膳夫寺(かしわてでら)の跡地に建てられたお堂。膳夫寺が二階造に似ていたため二階堂と名付けられた。お堂の前には布畄(ふる)街道が東に延び、古代から交通の要衝として重要な役割を果たしていた。
【住】天理市二階堂上ノ庄町
【時・休】見学自由

稗田(ひえだ)の環濠集落

稗田(ひえだ)の環濠集落大和平野に数多く造られた環濠集落の遺構の一つで、室町時代の文献にもその記述が見られる。周囲に濠をめぐらせて境界を明らかにした環濠集落は、水稲農耕とともに大陸から伝えられ、水利争いが頻繁に起こったであろう古代には各地で作られていたと考えられている。農業水利のほかにも、一時的に雨水をため、徐々に川に流し込むという、治水の役目も果たしている。東西約260メートル、南北約260メートルの規模で広がる稗田の環濠集落では、現在も村の周囲に満々と水がたたえられている。
【住】大和郡山市稗田町
【時・休】見学自由

羅城門跡

羅城門跡羅城とは都城の城壁のことで、平城京の朱雀大路の南起点には、建物の間口約26mの大きな羅城門を構え、その両翼に羅城が築かれていたとされる。当時、羅城門は平城京の表玄関とされ、唐や新羅など諸外国からの使節賓客はここで迎えられ入洛した。平城京の羅城門が建っていた場所は、現在奈良市と大和郡山市の境にあたる佐保川の川底にあり、大和郡山市観音町の堤防下に説明板が建てられている。
【住】奈良市西九条町5/大和郡山市観音寺町
【時・休】見学自由

西市跡

西市跡平城京の生活物資の流通と商業の中心だった官営の市場跡を示す石碑。平城京の時代には、朱雀大路を挟んで西市と東市の2つの市場が置かれ、西市は約7万平方メートルもの面積があったと推定されている。近年の調査では、建物跡、井戸、土器、木簡(西市交易銭・西市司交易銭)、貨幣(和同開珎・神功開宝)などが出土している。この石碑から東へ向かった場所に西市の船着場跡がある。
【住】大和郡山市九条町(近鉄九条駅前)
【電】0743-53-1151(大和郡山市教育委員会)
【時・休】見学自由

平城宮跡

平城京跡平城京(710-784)の宮殿・平城宮跡。中国・唐の長安城などを模範とした都で、平城京は大小の直線道路によって碁盤の目のように整然と区画された宅地に分けられていたとされる。メインストリートは南の羅城門から平城宮まで北にまっすぐに伸びる幅約74メートルの朱雀大路。現在は、およそ120万平方メートルの広大なエリアに朱雀門をはじめ大極殿や東院庭園が復元され、当時の趣を伝えている。
【住】奈良市佐紀町
【電】0742-30-6753(奈良文化財研究所)
【時・休】見学自由※見学施設は除く

平城宮跡 東院庭園

平城宮跡 東院庭園平城宮跡の東部の張り出し部分に位置する東院庭園は、奈良時代の天皇や貴族が儀式や宴会を行ったとされる約800平方メートルもの広さの回遊式庭園。1967年に庭園の遺跡が発見され、その後の発掘調査に基づいて2008年に復元された。東西60メートル、南北60メートルの東院庭園はゆるやかなカーブの池を中心に構成され、池の西岸には中央建物の露台が水面に張り出している。希望すればボランティアによる解説を受けられる。
【住】奈良市佐紀町
【電】0742-30-6753(奈良文化財研究所)
【時】9:00~16:30(入場は16:00まで)
【休】月曜(祝日の場合翌日)、年末年始、その他特別休あり
【¥】無料

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コンテンツ

奈良県

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〒630-8501 奈良市登大路町30番地

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