葬るかたち・宮都「飛鳥藤原」西方の古墳を訪ねて

  • 葬るかたち・宮都「飛鳥藤原」西方の古墳を訪ねて
  • 古墳とは3世紀後半から7世紀前半に築造された墳丘を持つ墓のことを言います。橿原市から明日香村、高取町にまたがるこのコースには、古墳時代中期から後期にかけての様々なかたちの古墳が数多くあります。岩屋山古墳は石室の中に入れますし、市尾墓山古墳や市尾宮塚古墳のように中を見やすく工夫した古墳もあります。また、益田岩船のように古墳(石室)にならなかった巨石もあります。この地図を携えてあなたも古代の黄泉の国へどうぞ。

新沢千塚古墳群(にいざわせんづかこふんぐん)

新沢千塚古墳群(にいざわせんづかこふんぐん)

畝傍山西南の丘陵にはお椀を伏せたような円い丘がいくつも連なっています。古墳の多くは、半球状で直径10~30メートルほどです。すべて5~7世紀にかけて築かれた古墳で、約600基あります。古墳からは馬具や鏡、刀や装身具などが出土し、地下の正倉院とも呼ばれています。その他の遺物には、光輝く金銀の装飾品や遠く地中海沿岸から運ばれたガラス碗など、国際色豊かな物も多数あります。付近一帯は史跡公園になっており、周囲は遊歩道になっているので楽しく古墳めぐりができます。

千塚資料館(せんづかしりょうかん) *改修工事のため平成26年春頃まで休館

千塚資料館(せんづかしりょうかん)千塚資料館(せんづかしりょうかん)

4~7世紀に造られた、約600基の古墳からなる新沢千塚古墳群。それらに関する資料館で、同古墳の出土品やレプリカを展示しています。そのほか、橿原市の総合的な歴史民族資料も展示しています。また、今井町関係資料や、農具や生活用具などの民俗資料、橿原市内にある遺跡より出土した、今からおよそ3000年前の縄文時代の終わり頃から江戸時代(今から200年前)にかけての土器や瓦、石製品、木製品、金属製品など約460点の遺物と約140枚の写真や説明パネルなど数多く展示されています。

桝山古墳(倭彦命墓)(ますやまこふん/やまとひこのみことはか)

桝山古墳(倭彦命墓)(ますやまこふん/やまとひこのみことはか)

宣化天皇陵と船付山のある尾根の南側に位置していて、一辺が85メートル、高さ15メートルの二段構成の大方墳で、わが国最大の方墳です。倭彦命身狭桃花鳥坂墓(やまとひこのみこと・むさのつきさかのはか)に治定され、前方後円形の玉垣が周囲をめぐっています。東側に接するため池の岸から採集された円筒埴輪片は中期古墳の埴輪の特徴をそなえており、宣化陵より古いと考えられています。

鳥屋ミサンザイ古墳(宣化天皇陵)(とりやみさんざいこふん/せんかてんのうりょう)

鳥屋ミサンザイ古墳(宣化天皇陵)(とりやみさんざいこふん/せんかてんのうりょう)

新沢千塚の北東部に、船付山からのびる屋根の先端部を利用して築かれた一基の大型の前方後円墳です。宣化天皇陵に治定されています。ミサンザイは御陵(みささぎ)の訛ったもので、古くから御陵墓の伝承があったことになります。古墳は尾根を利用して築かれているため、北北東に前方部を向けています。そのため北東から北西にかけて築堤を行って、幅の広い深い濠となっています。しかし上手の南側は濠幅も狭く、外堤も低いので、墳丘が二段に構成され、前方部と後円部の境のくびれ部分に方形の造り出しをもっています。また葺石や埴輪をめぐらしていることが外部からでも観察できます。

小谷古墳(こたにこふん)

小谷古墳(こたにこふん)

鳥屋史跡公園の北側に隣接して巨岩が露出しているのが小谷古墳です。小谷古墳は貝吹山から北東にのびる大きな屋根とそこから枝分かれした支尾根を利用して築かれており、北側の尾根の山腹には、半円状に自然地形を切り取った部分があります。墳丘の各所は山崩れを起こし、変形していて円墳か方墳かは定かではありませんが、南側に横穴式石室の入口が突き出すようなかたちで露出しています。石棺の奥や右側に広い空間があるため、他に二棺置かれていたと推定されており、一古墳三棺の聖徳太子と同じ「三骨一廟式」の墳墓と考えられています。

沼山古墳(ぬまやまこふん)

沼山古墳(ぬまやまこふん)

県の史跡に指定されており、益田の岩船の東に位置する独立した丘陵の頂に築かれた横穴式石室を埋葬施設とした古墳です。径約18メートル、高さ約5.5メートルの円墳で6世紀後半頃に築かれました。右片袖式の横穴式石室で、全長 9.5メートル、玄室長5メートル、幅3メートル、高さ5.3メートル、羨道長4.5メートル、幅と高さは約1.8メートルです。石室は玄室において5.3メートルと背が高いことが特徴と考えられています。

牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)

牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)

ほぼ同じ大きさの2つの石室は巨大な凝灰岩を刳り貫いた特異なもの。天井をドーム状に仕上げるなど大変精巧に造られています。八角形墳であり、斉明天皇陵ではないかといわれています。牽牛花はアサガオの別称で、この古墳のことを「アサガオ塚」ともいいます。(国指定史跡)

岩屋山古墳(いわややまこふん)

岩屋山古墳(いわややまこふん)

整備に加工された巨大な花崗岩の切石で造られた、石室全長約17メートルの横穴式石室です。天井を巨大な1枚岩で覆う、その造りは見事という他ありません。斉明天皇陵との説も。また、古くから武内宿禰の息子の墓との伝承があります。(国指定史跡)

マルコ山古墳(まるこやまこふん)

マルコ山古墳(まるこやまこふん)

高松塚古墳に続く壁画の発見が期待されましたが、発掘の結果、壁画はありませんでした。高松塚古墳やキトラ古墳と同様、凝灰岩の切石を組み合わせた横口式石槨で内側に漆喰が塗られています。最近、再度の発掘調査で墳丘が六角形という珍しい形であることが判明しました。(国指定史跡)。

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