昭和7年に萬葉集にゆかりの深い春日野の地に昭和天皇の御下賜金を頂き、約300種の萬葉植物を植栽する、我国で最も古い萬葉植物園として開園されました。現在は山野にいのちを芽生えさす草木もなるべく人的な手を加えず、自然のままに生かし、参拝者に安らぎを与える『春日大社萬葉植物園』として親しまれております。約3ヘクタール(9,000坪)の園内は、萬葉園・五穀の里・椿園・藤の園に大きく分けられています。萬葉園の中央には、萬葉時代の庭園を思わせる造りの池があり、その池の中央の中ノ島には『臥龍のイチイガシ』と呼ばれる老巨樹(奈良市指定文化財)が幹を地に長く臥せて繁っています。園内中央部の浮舞台では、5月5日(祝)、11月3日(祝)と春秋2回、奈良時代より絶えることなく、絢爛豪華な王朝の風情も伝承されてきた雅楽・舞楽が「萬葉雅楽会」として奉納されます。園内の南端には、春日大社の社紋が藤の花であることから『藤の園』が造られ、20品種・約200本もの藤の木が植栽されています。