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「記紀・万葉」にまつわるイベントとして、桜井市では、 毎年9月に「万葉まつり」を開催されていますね。
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松井 |
1975年から始まって、今年で38回目。毎年恒例の行事です。
今年は、金屋の河川敷に初めて『万葉集』朗唱のステージをやります。当時の衣装を着けて、万葉歌を朗唱してもらうという企画で、一昨年にサブ的にやってみたのが、皆さんから好評だったんでね。
また、お祭りといえば11月4日の「忍坂街道まつり」。
これは、忍阪地域の方々が自分たちで、記紀・万葉とのつながりを積極的にアピールしようと熱心に取り組んでおられます。行政としても、支援しながら一緒に進めているところです。
やはり、地域の人から発信してもらいたい。桜井市全体が同じ方向を向いて、観光を中心としたまちづくりをしていきたい。
そのためには、市民の皆さんが、桜井市の素晴らしい歴史文化をもっともっと知って頂き、自信と誇りを持ってもらいたいな。桜井市が日本の始まりだ、と子どもたちにも教育もしていかないとあかんし。
それを、こういったイベントを通じて推進していければと思います。 |
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市民の皆さんが、問題意識を持っておられるのは大切ですね。 他には、どんなイベントや取り組みを考えておられますか? |
松井 |
『万葉集』関連では、市内の万葉歌碑を巡るラリーや拓本教室です。4,500余首ある万葉歌の中で、桜井には60数首もの歌碑があるんですよ。
それと、奈良県がJRとタイアップして行う「古事記ガイド列車」では、午前と午後に1便ずつ、万葉まほろば線の奈良駅と桜井駅を往復します。そこで、観光ボランティアガイドによる車内案内や、桜井の駅前で古代服を着てのお出迎えなどを考えています。
他にも、来年2月に東京で行なう「纒向学セミナー」や、桜井の市民会館で行う「記紀・万葉リレートーク」などがあります。 |
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記紀・万葉プロジェクトが始まったことをうけて、 桜井市では「記紀万葉プロジェクト推進協議会」が発足されました。 |
松井 |
観光協会や商工会、各地域でまちづくりに頑張っている会やNPOなど、市内の33団体に参画して頂いています。
記紀・万葉プロジェクトは、記紀・万葉のふるさとである桜井市を全国的にPRするのに絶好の機会なので、奈良県と一緒に「オール桜井」で取り組んでいきたいと思っています。
また、協議会の中には、行動力のある若い人たちも多くいるので、今後はその方々を中心に組織づくりをし、これからの桜井市の観光、まちづくりの核になっていけばいいですね。民間の人がものすごく盛り上がっているのは、桜井の強さです。
私は市長になる前に、観光協会の会長を3年間務めました。その時に、桜井の歴史文化をどう活用して観光につなげればよいかを、皆さんと一緒に真剣に考えさせて頂きました。
桜井には、素晴らしい史跡はたくさんあるけど、それらが点在している。それを点から線に、線から面になるよう観光戦略を立てていきたい。例えば、桜井の一番の目玉は纒向遺跡ですが、そこへ来た人には三輪へ来てもらい、三輪へ来られた人は、南の桜井茶臼山古墳、そして市内の七社寺へ、というふうに。
これを「記紀・万葉プロジェクト」と連携をとって実現したい。
そして観光を通じて、地場産業を再生して、日本一住みたい街になるよう頑張っていきたいと考えています。 |