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【長谷寺】古くから人々を魅了する花の御寺 長谷寺を当時に思いを馳せて歩く

 真言宗豊山派の総本山・長谷寺。「花の御寺(みてら)」とも称されるこの寺には、四季折々、境内のあちらこちらに美しく花が咲く。仁王門から本堂へと続く399段の風雅な登廊や、木造では日本最大級の十一面観世音菩薩像はあまりに有名。そんな長谷寺のはじまりは、朱鳥元年(686年)。初瀬山の西ノ岡に、道明上人が「銅板法華説相図」を安置したことから。また、徳道上人が本尊・十一面観世音菩薩像を最初に造立した神亀4年(727年)による。その後、平安時代より一般民衆に流行した「初瀬詣で」の賑わいが、現在まで続いている。

イメージ:【長谷寺】古くから人々を魅了する花の御寺 長谷寺を当時に思いを馳せて歩く


 

写真:長谷寺の見どころ1

タイトル:長谷寺の見どころ1:重厚な「仁王門」の先は、本堂へと続く長い「登廊」

 長谷寺の山門「仁王門」の前に立つと、まずはその大きさに驚かされる。重厚な造りの屋根は、まるでこちらに迫ってくるかのよう。この「仁王門」が建立されたのは、一条天皇在位中の西暦986~1011年の間とされているが、現在の門は明治27年(1894年)に再建されたもの。


 門の両側には仁王像、上階には釈迦三尊と十六羅漢が祀られている。門の東側には、5月中旬~6月中旬までふじが咲く。

 「仁王門」をくぐると、「登廊」が先へと延びている。この「登廊」、上・中・下の3棟からなり、天井には長谷型と呼ばれる丸い灯籠がつるされている。また、創建頃の参道は、後に紹介する「二もとの杉」付近にあったといい、それが現在の場所に移ったのは、菅原道真が「観音堂」へ駆け登ったという故事にちなんで、人々がその道跡を通るようになったことがきっかけ。

 「登廊」では、1~2月には冬牡丹、4月下旬~5月下旬に牡丹の花を鑑賞することができる。

サブ写真:長谷寺の見どころ1

「仁王門」を下から見上げると、その造りの複雑さを伺える。繊細な装飾にも注目を。

サブ写真:長谷寺の見どころ1

下登廊。季節により両脇には牡丹などの美しい花が咲く。


 

写真:長谷寺の見どころ2

タイトル:長谷寺の見どころ2:長谷寺の運営を担った長谷六坊

 「下登廊」の途中には、長谷六坊と呼ばれる「歓喜院」「宗宝蔵(清浄院)」「梅心院」「月輪院」「慈眼院」「金蓮院」の六つの子院があり、江戸時代にはこれらの六つの院が、長谷寺の運営においてとても重要な役割を持っていた。


 「歓喜院」は、子弟教育を含め様々な目的に使われる昭和寮を併設している。4月上旬~中旬には初瀬桜、夏にはキョウチクトウの花を見ることができる。
 長谷寺の宝物庫として建立された「宗宝蔵」には、その役割を果たすために近代的な設備が施されている。
 「梅心院」には、僧侶を養成する学校がある。
 「月輪院」は、紀貫之の叔父・雲井坊浄真がこの周辺に住んでいたことにちなんだ雲井寮を併設している。

サブ写真:長谷寺の見どころ2
「慈眼院」。その名前は、長谷寺本尊の観音様の眼差しを想像させる。

サブ写真:長谷寺の見どころ2
「月輪院」。この奥の蔵王堂付近に、紀貫之の叔父・雲井坊浄真が住んでいた。


 

写真:長谷寺の見どころ3

タイトル:長谷寺の見どころ3:和歌や物語にも登場する二もとの杉

 「下登廊」の途中、「宗宝蔵」と「月輪院」の間の小道を東(右)へ曲がってしばらく歩くと、「二もとの杉」に辿り着く。二本の木の根元が重なり、高くそびえ立っているこの杉は、『古今集』に「初瀬川古川のべにある二本(フタモト)ある杉」と登場したり、『源氏物語 玉鬘(タマカズラ)』に「二本の 杉の立ちどを 尋ねずは ふる川のべに君を見ましや」と歌われたりと、当時から知られていた。

サブ写真:長谷寺の見どころ3

中央の五輪塔が「藤原定家塚」



 「二もとの杉」からさらに奥へ進むと、鎌倉時代初期の歌人・藤原俊成と、その息子であり『新古今和歌集』や『小倉百人一首』の撰者である藤原定家を供養する石碑「藤原俊成碑・定家塚」がある。藤原定家は、『年も経ぬ いのるちぎりは 初瀬山 尾上の鐘の よその夕暮れ』と歌を詠んでいる。なお、古くは長谷寺の参道入口は、この付近にあったという。「二もとの杉」周辺では、2~3月に梅や椿を鑑賞できる。

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本堂(観音堂) 五重塔 三重塔 登廊 登廊 登廊 仁王門 慈眼院 宗宝蔵 月輪院 愛染堂 開山堂 蔵王堂
見どころ1 見どころ1:仁王門 見どころ1:登廊 見どころ2 見どころ3 見どころ4 見どころ5 見どころ6 見どころ7 見どころ8 見どころ8:五重塔 見どころ8:三重塔跡 見どころ9 見どころ9:開山堂 見どころ9:本願院

歩く際の楽しみ方

歩く際の楽しみ方

「隠国(こもりく)の初瀬」と古くから歌枕として、和歌に詠まれる長谷寺は、王朝文学の舞台ともなっている。境内に点在する歌碑をたどりつつ、今も昔も変わらない景観や、当時の人々の思いを感じてみてほしい。また、境内に点在する石造物を見つけて歩くのもおもしろい。石観音や手水鉢、石灯籠などを探しながら歩いてみるのはいかがだろうか。四季折々の花が目を楽しませてくれる花の御寺・長谷寺を、歌碑や石造物を発見しながら歩いてみて。


- 長谷寺情報 -

近鉄大阪線長谷寺駅を下車、徒歩15分

奈良県桜井市初瀬731-1 TEL:0744-47-7001

8:30~17:00/4月~9月、9:00~17:00/10月~11月、3月
9:00~16:30/12月~2月 ※牡丹まつり期間等時間延長あり