五條新町を歩く際の楽しみ方
「西方寺」を出て、新町通りをさらに東へ。「五條新町」の特徴である、真っ直ぐにのびる通りに面して、いくつもの町家が並んでいる。通りからこれらの町家を見ていると、その敷地内に蔵が残っているお宅も。この蔵のなかには、400年の歴史が詰まった古文書が保管されていることもあるそうだ。
並び建つ町家を見ていると、それぞれに少しずつ違いがあることに気づく。例えば2階部分の高さ。これは、古い建物ほど低くつくられていて、江戸時代に参勤交代でやって来る役人の行列を、高い位置からの覗き見るのは失礼にあたり、場合によっては懲罰の対象になったとの理由からだったが、時代が進むにつれ、2階部分は徐々に高くなっていった。また、この2階部分に設けられた窓の形にも注目してほしい。江戸時代頃に建った町家は、虫籠窓(むしこまど)や鉄格子窓になっている。ガラスがはめられた窓は、明治から大正時代以降の建物だ。窓の形がヒントになって、その町家がどの時代に建ったのかを想像することができる。このことを知った上で歩くのも、またおもしろい。
さて、五條という地名だが、その由来にはいくつかの説がある。一つは、「宇智川、内の川、西川、東浄川、寿命川の五つの川があったから」というもの。もつ一つは、「旧紀州街道、伊勢街道、西熊野街道、河内街道、下街道の五つの大きな道があったから」。また、「御霊神社」の読みが、「ごりょう」から「ごじょう」に転じたという説もある。
商いをしていた町家には、通りに面して設けられた格子の形にも特徴がある。多くの町家に、間隔が広い格子、狭い格子、その中間にあたる幅の格子と、3種類の格子が存在している。幅が広い格子は店先部分にあたり、その奥に並べられた商品が見えやすい構造に。また間隔が狭い格子の向こう側は住居部分にあたり、生活の様子が通りから見えにくいようになっている。そして、店先部分の格子と住居部分の格子との、ちょうど中間ほどの幅の格子は、勘定をする帳場に用いられた格子である。
店先にあたる、間隔が広い格子。
住居部分にあたる、間隔が狭い格子。
帳場にあたる、中間の間隔の格子。
歩く際の楽しみ方
歩く際の楽しみ方
「五條新町」にある伝統的な建造物は、江戸時代から昭和の戦前にかけて、さまざまな時代に建てられている。そのため、建物の建設時期によって、特徴もいろいろ。例えば、窓の形がその一つ。江戸時代に建てられた町家は、鉄格子窓や虫籠窓が主流で、明治から大正時代の建物には格子窓や開戸を構えたものも。窓の形に注目して歩けば、「五條新町」の散策がさらに楽しくなる!
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- 五條新町情報 -
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新町通りまで:JR和歌山線「大和二見駅」または「五条駅」下車、徒歩10分
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0747-22-4001(五條市企業観光戦略課)