築造は6世紀後半で全長約35~40mで、前方後円墳もしくは、直径22mの円墳と考えられている。南西に開口する両袖式横穴式石室は、石室の上半部と天井を欠き奥壁に石棚がある。玄室に棚のある石室は県下に3例しかない。玄室西よりに凝灰岩の組合せ式家形石棺、追葬として羨道(せんどう)奥に花崗岩の組合せ式箱式石棺、玄室東側と羨道前面および石棚上下にも木棺が納められており家族墓的な利用が伺える。副葬品として金銅装の馬具や武具、須恵器、土師器が多数出土している。中でも金銅装の馬具は2組あり、1組は精巧な鐘型杏葉9枚と同型の鏡板、花形の飾りと宝珠状の突起をつけた雲珠をもつ豪華な飾り馬具のセット、もう1組はハート形鏡板をもつ装飾性の高い実用的な馬具である。いずれも、6世紀後半の馬具を代表する優品に位置づけられている。県指定史跡。