曽爾高原の駐車場は午前10時を過ぎたばかりなのに、満車に近い。高原入口のお亀茶屋から、お亀池の周囲に沿って散策路が続いている。この池の名は、お亀が大蛇に変身した昔話に因んで、名付けられたという。今は長年の土砂の堆積によって、ほとんどが湿原化している。ヨシ、マアザミ、サワヒヨドリ、ウメバチソウなど50種近い草木が次々に咲き、湿原植物の宝庫でもある。ススキの穂の波に覆われているので、池の存在すら気付いてない人も多い。お亀池を半周ほど巡り、道標に従い、亀山峠に向かう。上り道に差しかかるとすぐに息があがってきた。前に来た時より、きつく感じるのは、年のせいだろうか。ひと息ついて振り返ると、ススキの高原が広がりを増して見えるのが、元気を与えてくれる。