「白地図に残された面影」1/10,000の白地図を眺めていると、観光案内パンフレットでは記されない南北を縦貫する一本の道に気付く。途切れている道もあるが、直線道を繋げていくと平城京羅城門跡(京内を北上する路は朱雀大路)から藤原京西京極に到達する。その道は古代の幹道のひとつに数えられる下ツ道。発掘調査によると道幅は25メートル(側溝、犬走り含めた場合は34.5メートル)もあったというから、旧都を結ぶ軍事や物資輸送などに使われたのであろう。現存する道は細く、当時の面影は見られないが、今なお街道や農道の流通、生活道として活かされている。