(更新日2017年08月09日)

地域連携

地域連携クリティカルパスとは

 地域のかかりつけ医と病院の専門医とが、がん患者さんの診療情報を共有できる診療計画表のことで、その疾患に必要な治療や検査が盛り込まれています。連携パスを上手く活用して、かかりつけ医と専門医が協力してがん患者さんの診療を行います。現在、奈良県では、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝がんの5大がんについて連携パスが作成されています。
 がん地域連携クリティカルパスには、医療者用と患者用があり、奈良県では、患者用連携パスを『私のカルテ』と呼称しています。
がん地域連携クリティカルパスを利用することで、病院での治療内容・日常生活での各種問題などに関して医師の間で情報をやりとりできるばかりでなく、患者さんご自身も病気の状態や診療計画を理解でき、患者さんと医師が共同で診療に取り組みます。また、病状に変化があった時でも適切に対処ができるなど、安心して診療を受けて頂くことができるようになります。

目的

地域連携クリティカルパスイメージ図

 がん地域連携クリティカルパスの運用により患者さん・家族と各医療機関が、がん患者さんの診療情報を共有するとともに、連携施設の機能分担を行って、がん患者さん・家族に切れ目のない地域連携による質の高い、そして患者さん・家族が安心できるがん医療を提供することにあります。

対象

 病院に入院中あるいは通院中のがん患者さんで、今後の診療をかかりつけ医と病院医師が共同で、あるいはかかりつけ医主体で診て行くことが可能かつ必要があると考えられる患者さんで、患者さん本人の同意を得られた方を対象とします。

パス運用中のかかりつけ医、病院主治医の役割

かかりつけ医

日頃の診療は、地域のかかりつけ医が担当します。がんあるいはその他の持病の診療を担当します。
おもな診療内容を下に記します。

  • 定期的な診察、血液検査、画像検査など
  • 定期的な薬の処方
  • 痛みや吐き気など各種症状の継続的な診療
  • 風邪をひいたり、熱が出たときなど、臨時の診療
  • 病状悪化などにより、病院での診察が必要と判断した時には病院に連絡し、紹介とします

病院主治医

手術等の専門的治療を行った後の精密検査と診察は、病院主治医が担当します。そのため、患者さんには必要に応じ、年に何回か病院に通院していただき、精密検査と診察を受けていただきます。

  • 精密検査としては、血液検査、超音波検査、CT検査、MRI検査などがあり、必要に応じて施行します。
  • 病状が変化したときなどはかかりつけ医の紹介により、臨時に病院で診察を行ったり、入院治療をしたりすることもあります。

地域連携クリティカルパスの様式

胃がん

(医療者用)
(患者用)
化学療法あり
化学療法なし

大腸がん

(医療者用)
(患者用)

肝がん

(医療者用)
(患者用)

肺がん

(医療者用)
肺がん(化学療法あり)
肺がん(化学療法なし)
(患者用)

乳がん

(医療者用)
(患者用)

運用マニュアル

情報共有書

  • 「情報共有書」とは、がん専門医、かかりつけ医、在宅医、訪問看護師等、がん患者さんを取り巻く関係者が必要な情報を共有するためのツールです。
  •  すべての項目を記載する必要はなく、それぞれの立場から情報提供が必要と思われる項目を記載し、関係者との情報の共有にご使用ください。
  • (奈良県がん対策推進協議会 編集) 
  •  こちらからダウンロードできます  Excel(150KB)
  •                   PDF  (580KB)