2023年4月16日に、開村一周年記念展「山辺の道」関連ワークショップを開催しました。
天理市の荒蒔古墳(6世紀)より出土した馬形埴輪は、1年前の開村展「やまのべの文化財-未来に伝えるわたしたちの至宝-」ではチラシの顔となり、展示室入口で我々を出迎えてくれた、思い出深い埴輪です。その馬形埴輪と同じく荒蒔古墳から出土した、馬具の装飾がない(裸馬の)馬形埴輪の実寸大木馬が、今年の春完成しました!
木馬を制作するにあたり、3Dデータを計測したのが奈良県立大学の山田修先生です。今回は、山田先生を講師にむかえ、3Dデータを応用して量産された1/5サイズのレプリカを使って実測作業を体験しました。
「スコヤ」という自立する金属のものさしを立てて、埴輪の側面の穴の上下と左右の位置を取ります。実測図のシートに縦軸と横軸の目盛りを記入して、レプリカの下に敷いたシートの目盛りと照らし合わせながら、円の接点を記入する仕組みです。埴輪の穴の真横(水平の位置)から見つつ、スコヤの目盛りをミリ単位までとらえるために、ものすごい低姿勢で、目をこらして約90分。そろそろお開きにしようと、こちらから声を掛けても集中し続けている方がいて驚きました。
「難しい分達成感があった」「ものさしで測って絵を描くのがおもしろい」というコメントが、アンケートに寄せられました。「ほかのハニワの実測もやってみたい」というご意見は複数あり、作業自体はとても地味ながら、大変好評ということが分かりました。
荒蒔古墳出土の馬形埴輪型木馬は、文化財修復・展示棟の1階ロビーに常駐しています。大人が乗っても大丈夫なので、ぜひまたがって記念写真を撮っていって下さい!