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  • 松井紫朗「穴 時空をつなぐ回路」

    開催期間

    2023年3月21日(祝・火)~4月23日(日)(月曜休館)

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    開村一周年を記念して、奈良県天理市出身の松井紫朗(現京都市立芸術大学教授)を招きます。松井は、1980年代半ばより彫刻家としての活動を開始し、一貫して作品鑑賞を通した新しい時間と空間の経験の創造をテーマに活動を続けてきました。
     今回は、奈良盆地の東端、上古の頃より人と歴史を結び付けてきた古道 山辺の道(やまのべのみち)を対象とする制作を行います。文化村を拠点に、道沿いに点在する社寺や遺跡、それとともにある歴史や物語を松井の作品を特徴づける「穴」を通してほりおこし、私たちが生き、活動する現代に接続するという企画です。
     各会場には、多様な「穴」にまつわる松井の作品があります。それらは、鑑賞者のアクションを誘発し、より深い鑑賞へとみちびくしかけになっています。松井作品を体感することで新しい気付きを得、その経験がそれぞれの未来への布石となることを期待します。
     
    【構成】
    ●序章 穴の入り口~なら歴史芸術文化村(申込不要 無料)
                会期 3月21日(祝・火)~4月23日(日)
        ※文化財修復展示棟連携展示は、5月28日(日)まで
                会場 なら歴史芸術文化村(芸術文化体験棟3階/文化財修復・展示棟B1階展示室)
     
     芸術文化体験棟には、松井がこれまで制作してきた穴にまつわる作品を6点展示します。松井が設けるさまざまな「穴」がどのように機能するのか、その用い方が示されます。
     文化財修復・展示棟では、企画展「山辺の道」出陳の「盾持人(たてもちびと)埴輪」(天理市教育委員会所蔵)と「海獣葡萄(かいじゅうぶどう)鏡」(石上神宮所蔵)の2点の展示について、穴を通して遥か昔の人々の心にアプローチする方法が伝授されます。
     
    ●第1章 遠き日に思いをはせる~石上神宮(申込不要 無料)
                  会期 3月21日(祝・火)~4月23日(日)
                  会場 石上神宮 摂社 出雲建雄神社拝殿(国宝)
     
      石上神宮は、日本最古の神社の一つで、6世紀に権勢を誇った物部氏の氏神。摂社 出雲建雄神社拝殿は、明治期に廃寺となった内山永久寺から後にこの石上神宮境内に移されました。その拝殿に設けられた馬道に、遠くをうかがうための筒状の穴を設置します。それは、さまざまな時空に通じる望遠装置となります。
    ・石上神宮  https://www.isonokami.jp/
      
    ●第2章 天地を結ぶ~釜ノ口山長岳寺(申込不要 拝観料要)
                 会期 3月21日(祝・火)~4月23日(日)
                 会場 釜ノ口山長岳寺 旧地蔵院(庫裏)(重要文化財)
     
     長岳寺は、平安時代に空海が創建した真言宗の寺院です。本尊は阿弥陀如来像(玉眼の技法を用いた日本最古の仏像)で、寺には狩野山楽の筆とされる「大地獄絵」が伝わり、本堂にこの二極、極楽と地獄が会しています。
     長岳寺旧地蔵院(庫裏)に残される古備前大甕(かめ)に穴を設置します。昔も今も変わらぬ人の心の淵をのぞき見します。
    ・釜ノ口山長岳寺 https://www.chogakuji.or.jp/
     
    ●第3章 芭蕉葉の夢~内山永久寺跡本堂池 (申込要 無料)
                 開催日:4月2日(日)
                 会場 内山永久寺跡
     
     内山永久寺は、永久年間(1113~1118年)に鳥羽天皇の勅願により創建された壮麗な伽藍を誇る大寺院でしたが、明治期に廃寺となりました。現在は、浄土式庭園の名残として本堂池のみがそこにあります。
     唯一残された本堂池を穴と見立て、謡「芭蕉」に導かれながら当時の栄華を偲びます。
     
    ●第4章 手に取る宇宙~元興寺茶会(申込要 参加費要)
                  開催日:4月16日
                  会場 世界遺産 元興寺小子坊
     
     元興寺は、もともと聖徳太子・蘇我馬子が仏教の興隆を目的に建立した日本最古の二寺、斑鳩・法隆寺、飛鳥・法興寺(飛鳥寺)の一寺であり、平城京遷都に伴い飛鳥から移されました。今日までさまざまな出来事を見守り続けています。
     享保年間の日本に降り立つ愛と力の象徴である象、驚きを人々にもたらしながら進むその象の旅を遥かな頂から眺める富士、そしてそれら顛末を包むように見届ける宇宙。一塵法界の心地が腑に落ちる茶会です。
    ・世界遺産 元興寺  https://gangoji-tera.or.jp/
      
    ●最終章 穴の不思議~なら歴史芸術文化村(申込要 無料) 
                  開催日:4月23日
                  会場 なら歴史芸術文化村
     
     松井を惹きつけてやまない「穴」についてのお話です。
     会期の最終日に、アーティスト本人によるギャラリートークを、ツアー形式で行います。アーティストのことばを直に聴き、穴のかなたに、奈良がつむいできた長い時間と現在の自分を重ね合わせ、未来に思いをはせてみるのはいかがでしょう。
     
    【松井紫朗プロフィール】
     1960年生まれ。奈良県天理市出身、京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。
     1980年代半ばより彫刻家として活動を開始。「穴」に惹かれ、「穴」を用い鑑賞者の自発的なアクションを誘発し、実感に導く作品を制作。新しい時間と空間の経験の創造をテーマに活動を続ける。
     2011・13年、NASA・JAXAと共同で、宇宙空間をガラス容器に詰め地上に持ち帰るミッションを実施。以降、ガラス容器に詰められた「宇宙」の一部を実際に手に取り実感する「手に取る宇宙」プロジェクトを地球のあちらこちらでさまざまなかたちで開催している。現在、京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻教授。 
    ・松井紫朗 https://www.shiromatsui.com/
    ・手に取る宇宙 http://www.m-in-a-bottle.org/
       
    写真:
    「遠き日に思いをはせる~石上神宮 摂社 出雲建雄神社拝殿(国宝)」2023年
    「若狭井」2006年
    「One Man's Ceiling is Another Man's Floor(きみの天井はぼくの床)/アチラトコチラ~タイムマシーン」2016年




     

    イベント概要

    • 日時

      2023年3月21日(祝・火)~4月23日(日)※文化財修復・展示棟B1階展示室「山辺の道」連携展示は5月28日(日)まで

    • 時間(詳細)

      ・なら歴史芸術文化村 9:00~17:00 月曜休館・石上神宮 随時(社務所は9:00~17:00)・釜ノ口山長岳寺 9:00~17:00

    • 会場

      ・なら歴史芸術文化村(芸術文化体験棟3階/文化財修復・展示棟B1階展示室)・石上神宮(摂社 出雲建雄神社(内山永久寺鎮守社(住吉社)拝殿 国宝)・釜ノ口山長岳寺(旧地蔵院(庫裏)重要文化財)

    • 料金

      ・なら歴史芸術文化村、石上神宮は無料・釜ノ口山長岳寺は拝観料要

    • 主催

      なら歴史芸術文化村

    詳しくはこちら(チラシPDF) 詳しくはこちら(チラシPDF)