文化財修復・展示棟の地下1階展示室では第2回企画展「文化財研究中!―なら歴史芸術文化村×連携4大学―」を開催しております。
なら歴史芸術文化村は大学と連携し、文化財の調査研究をはじめ保存や活用、次世代を担う人材育成にかかる取り組みを行っており、現在は天理大学、立命館大学アート・リサーチセンター、奈良県立大学、東京藝術大学の4大学と連携協定を結んでいます。
本展では各大学の特色ある文化財の調査研究やなら歴史芸術文化村との取り組みについて紹介しています。
●天理大学 「発掘調査の裏側見せます」
調査道具や映像などを通して発掘調査をリアルにお伝えします。
明治時代に廃寺となった内山永久寺を、絵図を元に再現した模型も展示中!
●立命館大学アート・リサーチセンター「アジア仏教寺院のデジタルアーカイブと可視化」
當麻寺西塔の3次元計測データを用いて制作した模型や、構造を透視して見ることができる映像等を展示中!
また、今は見ることができないボロブドゥール寺院のレリーフをタッチパネルで自由にご覧いただけます。
●奈良県立大学「仏像のアナログ化」
普段触ることができない文化財や訪れにくい場所にある文化財を3Dプリンタで再現した複製を展示しています。
写真の「仏足跡」(手前)とレリーフ(奥)は触ることができます!
●東京藝術大学「仏像文化財の保存と修復、そして伝承へ」
写真奥から木心乾漆造り、一木造り、木寄せ構造を可視化した模刻。
仏像の制作技法の変遷を辿ることができます。
※写真中央の「唐招提寺 伝薬師如来形立像 復元模刻」は8月21日(日)までの展示です。
8月23日(火)からは「唐招提寺 如来形立像 石膏像」が展示されます。
なら歴史芸術文化村では大学と連携して、未指定文化財の調査を行っています。
展示中のこちらの仏像は桜井市北山区にある平安時代の薬師如来坐像です。
展示後に東京藝術大学の保存修復彫刻研究室にて修復される予定です。
また、こちらの薬師如来坐像は奈良県立大学とのコラボ企画として、「#みんなで仏像」を行っています。
ご来場のみなさまに薬師如来坐像を撮影していただき、SNSにアップされた写真を元に、3Dデータをつくるというプロジェクトです。
さまざまな角度から撮影することで、よりよい3Dデータが完成しますので、ぜひたくさん写真を撮ってみてください。
Twitter、Instagram、Facebookに「#みんなで仏像」のタグを付けて投稿をお願いします!
本展の関連イベントとして、これまでにギャラリートークと仏像講座を開催しました。
実際に発掘調査を担当した天理大学の学生によるギャラリートーク。
仏像講座では、国宝・聖林寺十一面観音菩薩立像の光背の3Dレプリカの拓本をとるワークショップを開催しました。
今後も連携4大学座談会やギャラリートークが開催されますので、ぜひお越しください!
【連携4大学座談会「ここでしか聞けない!文化財のウラ話」】 ※要申込
4大学の先生方が一同に会し、調査研究のご経験を踏まえて、奈良県の文化財やその魅力、今後の文化財研究について語っていただきます!
8月21日(日)10:00~11:30
登壇者:小田木治太郎さん(天理大学 教授)
田中覚さん(立命館大学 教授)
山田修さん(奈良県立大学 特任教授)
岡田靖さん(東京藝術大学 准教授)
会場:なら歴史芸術文化村 芸術文化体験棟1階ホール
定員:100名
【ギャラリートーク】 (申込不要)
調査研究に関わった方たちによるギャラリートークを開催します。
お時間になりましたら、地下1階展示室にお越しください。
8月20日(土)13:30~14:30
山田修さん(奈良県立大学 特任教授)× 岡田靖さん(東京藝術大学 准教授)
9月3日(土)13:30~14:00
立命館大学の学生によるトーク
【展示概要】
開催期間:2022年7月23日(土)~9月19日(月・祝)
休 館 日:月曜日(月曜が祝日の場合は翌平日)
会 場:なら歴史芸術文化村 文化財修復・展示棟 地下1階展示室
主 催:なら歴史芸術文化村
共 催:天理大学、立命館大学アート・リサーチセンター、奈良県立大学地域創造研究センター、東京藝術大学文化財保存学保存修復彫刻研究室