御所市櫛羅(くじら)の県道御所香芝線(山麓線)沿いに鎮座し、祭神は大山祗命(おおやますみのみこと)・大日霎貴命(おおひるめのみこと)・御霊大神(みれいおおかみ)・国常立命(くにとこたちのみこと)を祀り、祈雨祭・祈年祭の神で三代実録によれば、風雨を祈るため奉幣されているという。昔は現在地よりも西に鎮座していて猿目垣内の岸野山と伝えられ、また、下鴨社(鴨都波神社)に対して、上津賀茂とも呼ばれていました。木造大霎貴命座像・木造御霊大神座像の二体は、室町期に造られた一木造彩色像で、国の重要文化財に指定されています。なお、神社東南部、小字天田から昭和二五年、人物文様のある高さ四五センチの銅鐸が出土し、県立青翔高等学校に保管していましたが、火災によって現在は所在不明となっています。また、その昔に鎮座していたという岸野山には江戸後期の櫛羅藩陣屋跡(櫛羅城跡)が現存していて、山上に本殿跡の他城門礎石、山下に堀、合宿所跡、軍器鍛治工場などが「南葛城郡誌」の挿図に示されています。