大津皇子が眠る二上山と葛城の里

  • 大津皇子が眠る二上山と葛城の里
  • 旧石器文化を紹介する『二上山博物館』から、大津皇子が祀られている二上山へ。大和平野・大和三山・大阪河内平野を望むことができます。二上山から當麻寺へ、そこはまさに白鳳文化。當麻寺参道を下りすもう発祥の地として建てられた『相撲館』へちょっと寄り道。次に竹内街道へ、堺と奈良を結ぶ官道1号で悠久の歴史の一人に。最後は、竹内街道、伊勢街道、下市街道が交差する長尾神社で一日の健康に感謝の念を祈願してはどうですか。

香芝市二上山博物館(かしばしにじょうざんはくぶつかん)

香芝市二上山博物館(かしばしにじょうざんはくぶつかん)

■全国初 旧石器文化を紹介する石の博物館 TEL.0745-77-1700開館時間 午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)休館日 月曜日(祝日の場合は開館し、翌日以降最も近い平日が休館日となります。)、年末年始(12月28日~1月4日)観覧料 一般200円、高・大学生150円、小・中学生100円    *団体は20名以上でそれぞれ50円引きです。    *特別展等の開催期間中は観覧料を変更する場合があります。二上山博物館は、千数百万年前の二上山の噴火によって産み出された3つの石(サヌカイト・凝灰岩・金剛砂)と人びとの暮らしをテーマに、歴史的風土と自然の特徴を親しみやすく視覚にうったえた博物館です。予備知識をもって登山されると一層楽しめます。ぜひ登山の前にお立ち寄りください。

専称寺のしだれ桜(せんしょうじのしだれざくら)

専称寺のしだれ桜(せんしょうじのしだれざくら)

境内のしだれ桜は、奈良県の保護樹木に指定された樹齢150年以上とされ、春には伽藍を彩り、隣接する春日神社の桜とあわせて遠方から多くの参拝客が訪れます。本尊は、鎌倉時代前期ごろの阿弥陀如来立像(市指定)で、檜の寄木造で造られています。観音堂の十一面観音菩薩立像(市指定)は、檜の一木造で平安時代中期ごろの作になり、香芝市内で現存する最古の木造の仏像です。

二上山上ノ池横登山口(にじょうざんかみのいけよことざんぐち)

二上山上ノ池横登山口(にじょうざんかみのいけよことざんぐち)

上ノ池横登山口には、「二上山登山口 雄岳山頂2.4K 二上山駅0.8K」とある案内標柱と周辺案内図があります。ここから雄岳山頂までは1時間程度かかります。登山道は整備され、道案内もありますので迷うことはありませんが、途中本道からそれる道が何ヶ所かありますので注意は必要です。付近に駐車場はありませんので、ふたかみ文化センターか、香芝市役所南側駐車場をご利用ください(無料)。

どんづる峯(どんづるぼう)

どんづる峯(どんづるぼう)

二上山の西北に位置する標高130~150メートルの凝灰岩でできた奇勝です。千数百万年前に噴火した二上山の火砕流が水底に堆積し、のちの地殻変動や風水による浸食作用で形成されました。奇岩(屏風岩・蛙石)や逆転層、断層破砕帯などが見られます。地球規模の時間の流れの中でつくられた、いわば大地のアートともいえます。県の天然記念物に指定されています。

太子道の磨崖仏(たいしみちのまがいぶつ)

太子道の磨崖仏(たいしみちのまがいぶつ)

穴虫峠から県道香芝太子線に入ると右手山の中腹に太子道が通っています。この道は、推古30(622)年2月、厩戸皇子(聖徳太子)が斑鳩宮で亡くなり、そのご遺体を近つ飛鳥の磯長まで運ばれた道筋をさし、太子が宮から飛鳥に通われた筋違道に対して、葬送の道とよばれています。太子道は斑鳩から磯長まで断続的に痕跡が残っていますが、この付近は雑草や雑木のためとくにわかりにくくなっています。ただ、天文17(1548)年銘のある地蔵磨崖仏が道端にあって、往時の名残をとどめています。

傘堂(かさどう)

傘堂(かさどう)

傘堂は左甚五郎が造ったと伝えられており、大池の東畔にあります。一辺40センチあまりの方柱の上に、方形造の屋根がのせてあるような珍しい形で、本瓦葺の屋根の頂上に瓦製の宝珠露盤をのせています。現在、傘堂弥陀は石光寺にあり、新在家地区の明円寺にある鐘はこの堂に吊ってあったものです。 傘堂信仰として、傘堂に三度祈願すれば、長い病による下(しも)の世話を人にかけず、自分も苦しむことなく、又、命終わるときは雨が降らず、これまた人に迷惑をかけることもないという伝承があり、多くの人が訪れます。

二上山(にじょうざん)

二上山(にじょうざん)

その昔「ふたかみやま」と呼ばれたこの山は、今は「にじょうざん」の名で親しまれ、葛城市と大阪府の太子町の境界をくぎっています。山に向かって右手(北側)が雄岳517メートル、左手(南側)少し低い方が雌岳474メートルで北の生駒・信貴山系と南の金剛生駒山系をつなぐ位置にあり奈良盆地のほとんどの場所から見ることが出来ます。雄岳の山頂には、大津皇子の墓があります。天武天皇の第3皇子に生まれたが、あまりに勇敢で聡明な資質のため、天皇死後わずか1ヶ月にして、謀反の罪をきせられ24才で死罪になりました。雌岳山頂からの眺望は、大和三山を見ることができます。

當麻寺(たいまでら)

當麻寺(たいまでら)當麻寺(たいまでら)

當麻寺は、612年に用明天皇の第3皇子麻呂子王が河内国に建てた万法蔵院に始まり、その後、麻呂子王の孫當麻真人国見が役行者ゆかりの現在地に移したものといわれます。寺は、682年に着工、685年に金堂・講堂・東西両塔などの諸堂宇が完成し、寺号を「當麻寺」と改めたと伝えられています。しかし、今日ではその草創の年代を少し下げて、天平期の初頭ごろ、この地の豪族・當麻氏の氏寺として、現在地に創建されたものとも推定されています。境内には、国宝指定の本堂・東塔・西塔、国の重要文化財指定の金堂・講堂はじめ、大師堂・薬師堂・仁王門・鐘楼などが、独自の伽藍配置で立ち並んでいる。塔頭も奥院・中之坊をはじめ13を数える。また本尊の弥勒仏坐像をはじめとして、多くの仏像・仏画・曼荼羅など、貴重な寺宝を数多く伝えており、国宝・重要文化財指定の寺宝も多い。

當麻のおねり(たいまのおねり)

當麻のおねり(たいまのおねり)當麻のおねり(たいまのおねり)當麻のおねり(たいまのおねり)

正しくは、聖衆来迎練供養会式(しょうじゅらいごうねりくようえしき)といい、惠心僧都源信が大衆を浄土信仰に導くために始めたものです。5月14日は、中将姫が生身のまま生仏した日に由来すると言います。 当日の午後、本堂(曼陀羅堂)を西方浄土に見立てて長い掛け橋が渡されます。極楽浄土から二十五菩薩に扮した人たちが、介添役につきそわれて娑婆堂に進み、中将姫を蓮台に乗せて浄土へ導くというもので、来迎引接のさまを演劇的に表現したものです。中将姫は奈良時代の右大臣藤原豊成の娘で、幼くして母を失い、継母に育てられました。しかし、継母から嫌われ、山に捨てられてしまいましたが、父と再会し一度は都に戻りましたが姫の願いにより當麻寺に入り曼荼羅(諸仏の悟りの境地を描いた絵図)を織ることを決意し,百駄の蓮糸を集めて蓮糸を繰り、これを井戸にひたすと五色に染まりました。その蓮糸を一夜で一丈五尺(約4メートル四方)もの蓮糸曼荼羅を織り上げました。

竹内街道・綿弓塚(たけのうちかいどう・わたゆみづか)

飛鳥の都と難波を結ぶ古代の道で推古天皇21年に開通したことが「日本書記」に記されています。沿道には古社寺や旧蹟が多く、大和棟の民家がたちならぶ竹内集落は、今なお昔の面影をとどめています。竹内集落中心に位置する綿弓塚は、芭蕉が門人千里をつれて、千里の旧里竹内に宿ったときに詠んだ句を記念し文化年間に建てられた句碑「綿弓塚」として残っています。いまは、休憩所として整備されています。「綿弓や琵琶になぐさむ竹の奥」松尾芭蕉また、司馬遼太郎の母の実家があり、幼少時代にはこの竹内で過ごしました。

葛城市相撲館・當麻蹶速塚(かつらぎしすもうかん・たいまのけはやづか)

葛城市相撲館・當麻蹶速塚(かつらぎしすもうかん・たいまのけはやづか)葛城市相撲館・當麻蹶速塚(かつらぎしすもうかん・たいまのけはやづか)

當麻蹶速にちなんで建てられた全国でも珍しい相撲館。番付、取組表・星取表、錦絵、古書や、他に化粧回し、明け荷、板番付、相撲玩具等を展示しており、館内には本場所と同サイズの土俵があります。相撲館の前には、當麻蹶速塚相撲の始祖として知られる當麻のけはやの塚があります。「日本書記」によると、垂仁天皇の時代に、自分の強力を自慢していた當麻のけはやと出雲の野見宿禰とを天皇が力比べさせた。これが日本初の天覧相撲となり、けはやは脇骨を蹴り折られて死んでしまいました。宿禰はけはやの領地を賜り、命をおとしたけはやの墓が當麻に建てられました。これが現在まで貴重な遺跡として残されている五輪塔です。伝承の上では、けはやは高慢なように言われていますが、実際は都ずれしない素朴で野性的な性格の人で、当時の人々から親しみをもたれていました。葛城市相撲館 電話:0745-48-4611        開館時間 午前10時から午後5時  休館日  毎週火・水曜日入館料  大人300円 子ども150円 20名以上団体割引あり

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