願いを一言だけ聞いてくれる「いちごんさん」として地元の人から親しまれています。祭神は、古事記や日本書紀の中に見える事代主命です。雄略天皇が葛城山で狩をしている時、この神は天皇と同じ姿で現れ、天皇が「お前は何者だ」と問いかけたところ、「私は善事も悪事も一言で言い放つ神である」と申されました。天皇はひれ伏し、その後、共に狩を楽しんだとされています。しかし、続日本書紀によれば雄略天皇と狩の事でいさかいを起こし、四国の土佐に流されたという事です。その後許されて葛城の高宮付近に祀られたと記されています。また、今昔物語では、葛城の怪人と言われた役行者が、修行のため、葛城山と吉野の金峯山の間に岩橋を架けるため、諸神を集めて、架橋工事をした際に、一言主神は顔が醜かったため、昼は働かず夜しか働かなかったので、石橋は完成しなかったとされています。