ならの彩りさん!

ゆめみあーと【大宮通エリア】

訪れる人々を花と緑でおもてなし

ゆめみあーと【大宮通エリア】

<インタビュー>
ゆめみあーと代表
吉田 武さん

ゆめみあーと様の設立の経緯を教えてください。

平城遷都1300年祭を迎えるにあたって、奈良を訪れる人々の玄関口となる大宮通りの景観を整備しようとの声があがりました。そのために地域住民の方々や事業者の方々、そして行政が協力し合うこととなり、奈良県地域デザイン推進課の指導で平成20年度〜22年度にかけて、17回のワークショップを開催しました。そのワークショップの参加者でつくられたのが前身となる「大宮通り景観まちづくりの会」です。その後、平成23年に「ゆめみあーと」と名を変え、現在に至っています。都跡(みあと)地区の自治体のメンバーが中心であったことから、『夢を描こう』という想いを込めて「ゆめみあーと」と名付けられました。
現在は、ボランティアで毎月第2金曜日に大宮通りの清掃活動を行った後、都跡小学校で井戸端会議を開き、活動についての意見を交換しています。また奈良市の景観課との共同プロジェクトとして「景観発掘隊」の活動にも取り組んでいます。これは、大宮通り周辺にある名所や、まだ知られていない美しい景観を自分たちの足で巡って掘り起こし、新しい観光ルートを開発していこうという目的で行っているもので、ボランティアガイドの皆さんにも協力いただきながら、進めているところです。

  • 観光客をもてなす大宮通りの植栽

  • ゆめみあーと代表の吉田さん

  • 植栽を始めたころの様子

  • 植栽を始めたころの様子

  • 景観まちづくりや活動について井戸端会議

これまでの活動で印象深い出来事は?

大阪方面から阪奈道路で奈良へ入る、まさに玄関口となるのが二条大路5丁目の交差点ですが、その一角に花壇をつくり、年に2回、花植えをしています。観光客の皆さんを美しい景観と花でお迎えし、おもてなししたいという気持ちで、毎日の水やりや除草を行っています。水やりについては、当初、花壇の前にあるファミリーマートさんの水道をお借りしていましたが、水道代が多額になることから、電動ポンプを自前で用意し、歩道脇の水路から水をくみ上げて散水しました。現在は、ようやく花壇の脇に水栓を設置していただいたので、毎日の水やりがずっと楽になりました(笑)。
美しい景観には、お花だけでなく街路樹と一体となった景観も大事だと思います。大宮通りにはケヤキの木が並んで、見事に育ったのは良かったのですがムクドリの大群が集まるようになり、鳴き声による騒音やフンによる被害のため、枝がばっさりと剪定されてしまいました。ケヤキ本来の景観を維持したかったので、枝ぶりが良くなるような剪定をしてくれるよう県にお願いし、最近では枝を残すようになっています。立派なケヤキの木が立ち並び、花が美しく映える、人と花、鳥ともうまく共存ができるようにしていければと思います。

散水栓の設置で活動がさらにパワーアップ

活動において特に苦労されることはなんですか?

代表のご自宅お庭での苗の育成

花壇にどんな花を植えるか、ということですね。毎日の水やりや除草も大変ですが、花を絶やさないよう季節に応じた花を、専門家の方と相談しながら選んで植えています。夏はマリーゴールド、冬はホワイトポールが中心です。実はどちらも、私が自分の畑に種を蒔いて苗を育てて、それを花壇に植えているんです。全部、手づくりです。毎年、200〜300個ほどの苗を用意するんですが、これが大変(笑)。でも、私のつくった苗は、育てる土が良いのか、天候に強いと評判です。大変ですが、やりがいがありますね。

今後、取り組んでいきたいこと、課題はありますか?

もともと自治会のメンバーが中心で始まった会でもあり、高齢化が進んでいます(笑)。景観活動やボランティアに興味のある若い人たちにも、ぜひ参加していただきたいと思っています。まわりには、景観に対する意識が高い人もたくさんおられます。ケヤキの木の下の雑草をさりげなく引いてくれたり、私たちが活動している姿を見ると声をかけてくれたり、暑い日は飲み物を差し入れてくれたりする方もいて、とても励みになります。そうした景観意識の高い人を増やし、若い人たちにもどんどん参加してもらえたら、私たちの活動にももっと活気が出てくるんじゃないでしょうか。
平城京跡の整備が終わり公園がきれいになると、これから観光客がどんどん増えます。電線の地中化工事も進められており、この辺りの見晴らしもぐんと良くなるでしょう。奈良の玄関口として、皆さんを気持ち良くお迎えできるよう、整備活動はもちろん、日頃の維持管理にも力を注いで、この大宮通りを、東京の青山通りや大阪の御堂筋に負けないくらいの美しい通りにしたいと思っています。

整備中の平城宮跡公園と大宮通り

※インタビュー記事の内容は取材時のものです。
[取材日]平成29年9月11日

関連する方々の活動や景観・施設

  • 名板を隠す勢いのマリーゴールド(9月)

  • 満開のメランポジューム(9月)

  • たくさんの住民の協力が紹介されました

  • 熱の入る井戸端会議

  • ごみ取りも日課という代表

  • 剪定されたケヤキの木