ここは奈良県が植栽計画として進める「なら四季彩の庭づくり」の山の辺(南)エリアに属する場所で、北には長岳寺、南には崇神天皇陵や櫛山古墳があり、近くを通る山の辺の道には歴史を求めて多くの人々が散策に訪れます。緑友会は平成26年の秋からこの地(古都法買入地景観形成事業地)で活動を始めました。面積は約4,500平方メートルで、うち約1,400平方メートルが竹林です。もとは果樹園だった場所で、主に樹齢50年を超えるカキやスモモが植わっています。
空き地となっていた所には平成27年の春にクリとスモモの苗木を各10本植樹しています。私たちが目標としているのは、奈良の歴史的景観に相応しい果樹園の風景を復元することです。おもな活動は、草刈り、果樹の育成、剪定、および竹林整備です。
会員は皆、造園技術科の修了生で、専門校で学んだのは庭園設計と築造、樹木の植栽や剪定技術や技能の習得です。庭園樹としての果樹剪定は学びましたが、果実を取るための果樹栽培技術は学んでいません。ここでの活動を始めるにあたっては、果樹栽培に詳しい講師を招いて手入れの指導をお願いしました。その当時、この事業地はしばらく手つかずであったため、樹木の枝も伸び放題。造園用語で徒長枝(とちょうし)と言うのですが、そのままにすると花芽がつかないため、徒長した枝をすべて切り落としました。以降、剪定は毎年行っています。剪定をする場合、私たちは「開心自然形」という形にしています。上のほうの高い枝を切り払い、横に枝が広がるような形です。そうすることにより、日光が当たる面積が広くなり、風通しも良くなるため、害虫が発生しにくくなります。また、手入れがしやすいというメリットもあります。