奈良の林業が受け継がれて
約500年

奈良県の林業の歴史は古く、約500年前(室町時代末期)に川上村で日本最古の植林が行われたという記録が残っており、現代まで続いています。特に吉野林業地域(主に川上村、東吉野村、黒滝村)では、独自の育成方法によって、吉野杉や吉野桧といった良質な木材を育ててきました。



吉野の木材は、古くは豊臣秀吉の大坂城や伏見城をはじめとする畿内の城郭や社寺、仏閣に使われ、江戸時代には、灘や伏見の酒を江戸へ運ぶ酒樽の材料として重宝されました。現在でも、強度や耐久性があり、木目や色合いが美しい高級建築材として全国的に知られています。
奈良県の林業、特に吉野林業では、植林してから木材として出荷されるまで、約80年~100年かかります。自分が植えた木が出荷されることを見届けることはなく、次の世代へと託すのです。そうやって約500年もの長い時間、先人たちが植えた木を代々守り育ててきたからこそ今の森林・林業があるのです。

吉野林業地域(川上村)の森林