レポート記事

2021.05.31

注目スポット・鹿猿狐ビルヂングで出会う「奈良の木」の魅力。お土産・雑貨もずらり

今年4月、昔ながらの街並みが広がるならまちエリアに、中川政七商店の複合商業施設・鹿猿狐ビルヂングがオープンしました。日本を代表する建築家の1人である内藤廣氏が設計した本施設は「路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良」をコンセプトに奈良の魅力を発信する拠点となっています。

今回、「奈良の木のこと」では鹿猿狐ビルヂングで出会える「奈良の木」にフォーカス。奈良の木が使われたお土産や雑貨はもちろんのこと、木目の美しさが際立つ天井や軒裏、ここでしか見ることのできない奈良の歴史にまつわる木など、あらゆるところで奈良の木を見つけることができました。

古い街並みになじむ外観

鹿猿狐ビルヂングが建つ奈良市・元林院町(がんりいんちょう)は細い路地が入り組み、昔ながらの町屋が立ち並ぶならまちとして観光客に人気のエリア。
本施設は、開放的な窓と街並みに調和する屋根瓦が印象的ですが、その軒裏(のきうら)をよく見てみるとさっそく「奈良の木」を発見。ダークグレーの落ち着いた色味の外観に、吉野ヒノキの木目が温かみを添えています。

奈良の魅力が詰まった中川政七商店 本店

  • 鹿、猿、狐が揃った鹿猿狐ビルヂング限定品

1階の一角と2階に新設されたのは、中川政七商店の本店。1階のショップでは「鹿・猿・狐」をモチーフにした「かや織ふきん」や鹿猿狐ビルヂング限定品、赤膚焼や吉野杉、吉野葛といった奈良の特産品を用いた暮らしの道具を販売しています。

  • 1階のショップにはたくさんの奈良限定商品が揃う

さらに地元・奈良の木工作家や事業者による作品の展示・販売も。

吉野スギ、ヒノキの表情そのままに遊べる木のブロック「tumi-isi」や、奈良の木の温かな風合いとシンプルなデザインが調和した「神棚」は、それぞれ東吉野村を拠点に活動するプロダクトデザインレーベル・A4(エーヨン)と、木工職人・中峰渉さんの作品。また、木の個性を活かした「吉野桧の家具と器」は、川上村に工房を構える渡邉崇さんが手がけています。その他にも、下北山村のスカイウッド株式会社による木肌の表情を活かした「広葉樹のカッティングボード」など、吉野エリアで活躍されている木工作家や事業者の作品が多数展示販売されています。デザイン性が高く、奈良の木の美しい木目や色合い、温かみが感じられる作品をぜひ手にとってみては。

  • tumi-isi/制作: 菅野大門(エーヨン)
  • 吉野桧の家具と器/制作:渡邉崇(MoonRounds)
  • 広葉樹のカッティングボード/制作:スカイウッド株式会社

2階のショップには中川政七商店が手がけた、生活に根ざした機能的で美しいオリジナルアイテム約3,000点が揃います。

吉野スギ、ヒノキの美しい木目を活かした「吉野杉のトレイ」や「吉野桧のフローリングワイパー」、吉野ヒノキの上品な香りをそのまま詰め込んだ「吉野ヒノキの芳香チップ」など、中川政七商店のアイデアを活かした商品が並びます。

  • 吉野杉のトレイ
  • 吉野ヒノキの芳香チップ
  • 吉野桧のフローリングワイパー

また、吉野スギやヒノキの樹皮を原料に一枚一枚手すきで仕上げられた「吉野和紙のポストカード」や吉野スギの中でも品質の高い赤身部分を利用した「六角箸」など、中川政七商店らしく吉野の自然の豊かさを肌で感じることのできる逸品が揃っています。

  • 吉野スギ・ヒノキの皮を利用した吉野和紙のポストカード
  • 吉野スギの六角箸

このフロアでも軒裏部分に吉野ヒノキが利用されおり、季節によってカラーリングが変わるのれんとあわせて、洗練された空間を演出しています。

  • 窓際には休憩スペースもあり、ショーケースに入った工芸品を楽しむことも

スモールビジネスから奈良を元気に コワーキングスペース JIRIN

  • JIRINのワーキングスペース

3階に位置する「JIRIN(ジリン)」は、中川政七商店が運営するコワーキングスペース。
中川政七商店は奈良を元気にするために、工芸だけでなく飲食店など「N .PARK PROJECT」と銘打って様々なスモールビジネスのサポートを行ってきました。
今回、JIRINはこのプロジェクトの拠点として設置された場で、セミナーや経営講座の実施やコワーキングスペースなど、交流の場として利用される予定です。

今後、たくさんの交流が生まれるであろう本スペースの天井には、吉野ヒノキが張り巡らされ、温かみのある空間が広がります。さらに大きな窓からみえる興福寺・五重塔の眺めも素晴らしく、こんなにも心地よい空間で浮かぶアイデアはきっと刺激的で奈良の活性化につながるに違いありません。

  • 窓際のワーキングスペースからは興福寺・五重塔が

中川政七商店の歴史を見る・体験する

  • 中川政七商店(旧 遊中川)の店舗

鹿猿狐ビルヂングの敷地内にある路地を通り中庭を抜ければ、築130年の町家につながります。衣類や服飾小物など布ものを中心としたアイテムが揃う店内には、享保元年(1716年)に創業した中川政七商店の歴史が詰まっています。

まずは、すぐに目に入る店外の格子を見てみましょう。ならまちエリアの町並みになじむ趣のあるこのデザインには、奈良だからこその役割があります。それは公園を抜け出して町に繰り出す鹿から、店を守るための鹿よけだそう。この格子には吉野スギが利用されていて、一部は100年以上前から使われているものもあるのだとか。

  • 中川政七商店(旧 遊中川)外観

店内の天井を見上げると、一際目立つ大きな松明(たいまつ)が。これは、東大寺の二月堂で世界平和を祈って行われる行事「修二会」で実際に使用されたもので、特別に譲ってもらったのだそうです。

  • 歴史を感じる欄間

中庭の奥には、実際に利用されていた2つの蔵がギャラリーとしてリニューアル。「時蔵」は文字通り、中川政七商店のアーカイブを保存するためのギャラリーとして。「布蔵」では昔ながらの機織りの体験など、麻織物の老舗として創業した中川政七商店らしい展示を楽しむことができます。

  • 時蔵の内観 中川政七商店のアーカイブを保存するための桐箱が並ぶ
  • 布蔵の内観 奈良・月ヶ瀬から運ばれたという機織り機

奈良の木のお盆が引き立てる季節のお茶菓子

中庭の側にある「茶論」ではお茶や季節のお菓子を楽しむことができます。木目の美しい吉野スギのお盆が、繊細な和菓子をより一層上品に引き立てています。

お買い物や蔵の見学の後に、中庭を眺めながらホッと一息ついてみては?

  • 江戸時代後期の絵師・内藤其淵によるふすま絵
  • 座敷から眺めた中庭

 

今回、ご紹介したスポット以外にも、奈良初出店となる「猿田彦珈琲」や東京・代々木上原のミシュラン一つ星店sioがプロデュースするすき焼き専門店「㐂つね(きつね)」でランチやディナーなど1日中楽しむことができます。

鹿猿狐ビルヂングを探索して分かったのは、やはり奈良の魅力を語る上で奈良の木は絶対に欠かすことができないということです。ぜひ、鹿猿狐ビルヂングを訪れる際は「奈良の木」にも注目して、その温もりと長い歴史をもつ奈良の木の背景にある物語を感じてみてはいかがでしょうか。

文:「奈良の木のこと」編集部
写真:山下 陸

INFORMATION
鹿猿狐ビルヂング
住所 〒630-8221 奈良県奈良市元林院町22番
近鉄 奈良駅 徒歩7分、JR関西本線 奈良駅 徒歩15分
営業時間 中川政七商店 10:00~19:00
猿田彦珈琲 9:00~21:00
きつね 11:00~15:00(LO 14:00)
    17:00~22:00(LO 21:00)
茶論 10:00~19:00(LO 18:30)
JIRIN 9:00~21:00
営業状況についてはこちらをご確認ください。
URL https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/pages/shikasarukitsune.aspx
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