インタビュー記事

2021.03.11

DIYのプロ・東急ハンズ店員に聞く、木の選び方・扱い方。ワンランク上のDIYに挑戦!

3月14日(日)まで、「東急ハンズ新宿店」6FのDIYコーナーにて奈良の木の展示販売が行われています。

美しい奈良 吉野の木>と題された展示販売では、スギやヒノキだけでなく、カエデ、イブキ、クスノキといった木材まで、幅広い奈良の木が勢揃い。奈良の木の魅力を実際に手に取って実感できるイベントとなっています。

今回お届けするのは、開催場所である東急ハンズ新宿店 6F DIYコーナーのグループリーダー田中一平さんへのインタビュー。今回の展示販売を通して感じた奈良の木の魅力や、DIYに使用する上でのポイント、お手入れの仕方などをお聞きしました。

インタビュー:東急ハンズ新宿店 DIYコーナー 田中 一平

━━田中さんがDIYに興味を持ち、今の仕事にたずさわったきっかけは何でしたか?

もともと学生の頃からモノ作りには興味があったのですが、木材などに特別な興味を持ったのは東急ハンズに入社してから。東急ハンズ入社前に建築系の職人をやっていたことがあり、その経歴から東急ハンズでも木材や工具などのDIY商品を扱うコーナーの担当になりました。それから15年以上ずっと、各店舗のDIYコーナーや本社の商品部でDIY商品を扱っています。

━━今回、<奈良の木の展示販売>が新宿店で開催されていますが、奈良の木にはどのようなイメージを抱いていましたか?

建築の現場にいたこともあって、奈良の木といえば吉野スギや吉野ヒノキなどの建築資材のイメージが強かったです。特に吉野の木材と言えば、一般小売には出てこないような、神社・仏閣などに使用される高級木材といったイメージでした。

━━今回の展示販売で実際に奈良の木を扱ってみて、そのイメージは変わりましたか?

そうですね。私のイメージよりずっとお手頃で、それでいてモノはとても良いです。一般的な木材は、日当たりが良い南側ほど育ちやすいために年輪が歪むんですが、奈良の木はうまく育ててあるから年輪が均等で締まっているんです。木目がきれいで真っ直ぐに育っていて、すごく質の良い木材だと思います。奈良の林業に従事している方々が、とても丁寧に手間ひまをかけて山を守っていることが伝わってきますね。

━━今回の展示販売では吉野スギや吉野ヒノキだけではなく、奈良県産の木材を幅広く扱っていますね。

国産の木材の中では広葉樹の割合は少ないのですが、広葉樹でも質の良いモノが沢山あるのは奈良の木の特徴の一つだと思います。今回の展示販売では吉野スギや吉野ヒノキだけでなく、木材としてはあまり馴染みのないものもあります。特に良い表情をしていると感じたのは、クスノキ、カエデや針葉樹のイブキといった珍しい種類の木ですね。

  • 針葉樹のイブキと広葉樹の朴(ホオノキ)

━━これからDIYを始めようと思っている人に向けて、木材の特徴などを教えてください。

すごく簡単にいうと、色が濃い木材ほど質量が高く、重くて硬い。色が白いものほど加工がしやすいということですね。あとは、針葉樹と広葉樹の違いを覚えておくと良いかもしれません。

スギやヒノキといった針葉樹は真っ直ぐに育つため、建築資材向き。一方、広葉樹は幹が細く枝が強く出るため、木目が複雑になっていて表情が出やすいです。棚やイス、まな板といったモノを作る場合には針葉樹、もっと木目の面白さを活かしたモノにしたい場合には広葉樹がオススメです。

━━DIY初心者には、どのような木材がオススメですか?

スギ、マツ、ヒノキなどの木目が素直な木材が扱いやすいと思います。それらの針葉樹の木材はまとめてSPF材(※1)とも呼ばれていて、ホームセンターなどでも安価で手に入るのですが、加工のしやすさは一番ですね。奈良県産のスギやヒノキは木目が素直でまっすぐなのに、密度が高く耐久性も抜群ですから、DIY初心者にも手を出しやすいんじゃないでしょうか。

※1 SPF材…北米産の針葉樹であるスプルース(Spruce/トウヒ)、パイン(Pine/松)、ファー(Fir/もみの木)の頭文字をとったもの。

  • 近づいてみると木目が真っ直ぐで均一な様子がわかりやすい

━━広葉樹はどのようなモノ作りに使うのが良いのでしょうか?

広葉樹は木目の面白さが特徴ですから、一枚板のテーブルにしたり、家の装飾に使ったりすると良いと思いますね。木目や節の持ち味をそのまま活かせるようなインテリアを作りたいのであれば、広葉樹の木材がおすすめです。また、広葉樹は針葉樹よりも種類が豊富で、種類によって色味や木目の入り方が全く違うので、実際に店で確かめてみて、自分のイメージに近い木材を選んでいただく方がいいと思います。

━━今回の展示販売に訪れたお客様は、どのような用途で木材を買っていく方が多い印象ですか?

新宿という場所柄もあってか、お家のディスプレイや店の装飾に使う予定の人が多い印象ですね。あとは、昨今のキャンプブームもあって、アウトドアで使うカッティングボードや薪割りなどに使う用に買っていかれる人も多いです。

  • 板だけでなく丸太などの材も並ぶ

━━木材を使ってDIYをする方に、おすすめのお手入れ方法はありますか?

例えばカッティングボードなどの普段使いするようなモノの場合、仕上げにオリーブオイルを塗ってあげると良いですね。乾いてきたら油分を入れると、湿気・水気にも強くなりますし、木が締まって長く使えるようになります。あと、木材はどうしても経年変化が起こるものなので、その変化をどれだけ楽しめるかにもよりますね。ピカピカのまま長く使おうとすると、表面を削ったり入念に手をかけないといけません。そこまでしなくても良いというのであれば、定期的に油分を入れてあげるだけでも大分違いますね。

━━そのオリーブオイルは、料理に使うようなものでも構わないのですか?

各家庭に1本くらいはあるような、スーパーで売られているオリーブオイルで構わないです。今の日本では、接着剤や塗料などで口に入れても問題ないようなモノはなかなか手に入りにくいため、オリーブオイルで仕上げるのが一番手っ取り早く安全だと思いますね。オリーブオイルは木の種子から取れる油ですから、組成も木材に近く馴染みが良い。もともと昔の日本では家屋の柱などを米のとぎ汁で拭いていたりしましたが、やっていること自体は同じで、木材には油分を入れてあげるのが大事だということです。

━━他に、木材の加工や選び方で注意するべきことはありますか?

木材は自然由来の材ですから、どうしても反りや歪みがある場合があります。店頭で木材を見る場合、横から見るのではなく縦にして見ると、反りや歪みがあるかどうかを判断しやすいため、木材選びの見方にも注意してみて欲しいですね。

━━今回、田中さんにカッティングボードと折り畳みテーブルの作り方を教えていただきました。これらを作る上でのポイントを教えてください。

出来れば、あまり柔らかくない木材を選んでいただくと良いと思います。カッティングボードは包丁の刃が刺さり過ぎないように、テーブルの天板は跡が付きづらく長く使えるように、硬め=色が濃いめの木材がいいですね。色が濃い木材は油を入れると色がさらに濃くなって木目が際立つようになるため、見た目も映えるようになります。

 

DIYのプロの目からみても、奈良の木は木目が真っ直ぐで加工しやすく、さらに耐久性も抜群。かつ、料金もお手頃ということなのでDIY初心者にとってもピッタリの木材だそう。

ということで、今回は奈良の木のこと編集部が実際に東急ハンズで購入した木材を使って、DIYにチャレンジ。初心者におすすめというカッティングボード折りたたみテーブルを作ってみました。とても簡単な工程ですが、木目の美しさが際立ち高級感のある仕上がりに。

ぜひ動画を参考にしながら、奈良の木を使ったDIYにトライしてみてください!

INFORMATION
期間 2021年2月15日(月)〜3月14日(日)
時間 10:00〜20:00(通常10:00〜21:00)

※1月8日(金)〜当面の間時間短縮営業中。詳しくは店舗にお問い合わせください。

場所 東急ハンズ新宿店 6F DIYコーナー
出展 吉野製材工業協同組合 吉野材センター、豊永林業株式会社
MAP

Text by 青山 晃大
Photo by 高見 知香

奈良の木のことのSNSをフォローして、
おすすめ情報をGETしよう!

  • facebook
  • twitter
  • instagram

その他の記事コンテンツ

まとめ記事

秋の味覚を堪能!古民家カフェから日本酒バーまで!奈良の食文化が楽しめるおすすめスポット5選!

長かった夏も終わりを迎え、風が涼しく心地よい季節になってきた今日この頃。山々に囲まれた自然豊かな奈良県は、日本酒発祥の地であり、大和野菜や大和肉鶏・大和牛・ヤマトポーク、ヒノヒカリなど自然の恵から生まれた食材が溢れる食の宝庫でもあります。

2018.09.14

お役立ち記事

知ると面白い!奈良の木が住まいになるまで。「山」と「市場」編

日本屈指の高い品質を誇る奈良の木。吉野スギ・吉野ヒノキに代表される奈良の木材は、私たちに癒しや温もりだけでなく、香りを感じたり触れたりすることで、心身ともに健康で快適な暮らしを与えてくれます。

2018.08.29

まとめ記事

夏本番!季節の変わり目にぴったりなインテリア雑貨と旬な作家をご紹介 #奈良の木のある暮らし

梅雨や日差しの強い日など不安定な天候が続くこの季節、春が終わり本格的な夏を迎えるのに身支度や身の回りの物を新しい装いにしたい時期です。そこで、奈良の木のことでは「インテリア」をテーマに食器や小物など普段の私たちの生活に身近な、自然に取り入れたい、奈良の木を使ったインテリア雑貨をご紹介します。さまざまなプロダクトに落とし込まれた奈良の木を使った作品と、その作品を手がける工房と作家さんにフィーチャーしてお届け。日々過ごす部屋だからこそ、自分だけのとっておきの空間を、こだわりの一品を見つけてみてください。

2018.07.20