レポート記事

2021.03.05

写真家が切り取る。「奈良の木」が私たちの元へ届くまで。~木を作る現場・製材所~|かつお(仁科勝介)

最も古い植林の歴史を持つ、奈良県・吉野地方。“密植”という独自の育成方法で、何世代にもわたり大切に育てられた木々は、吉野スギや吉野ヒノキという優良木材として広く知られています。

山から製材所へ、そして工務店や木工職人から私たちの元へ。川上から川下へ「奈良の木」が運ばれていく間には、先人たちが培ってきた知恵や技術がたくさん詰まっています。

そんな歴史ある「奈良の木」の魅力を伝える新企画「写真家が切り取る“奈良の木”」がスタート。奈良の木が扱われるさまざまな現場を写真家が訪れ、奈良の木が大切に扱われている背景と、素材の魅力を写真家目線で伝えます。

今回の写真家は、日本についてもっと知りたいとの想いから、1741ある日本の市区町村すべてを巡り写真に収めたというかつお(仁科勝介)さん。そんなかつおさんの目に「奈良の木」の現場はどのように映ったのでしょうか。

 

今回訪れたのは製材の町・吉野町。
桜で有名な吉野山や万葉集ゆかりの宮滝など、美しい景色と長い歴史を持つこの町には、近隣の村々で伐採されたスギやヒノキの原木を運ぶのに利用された吉野川の左岸に、製材団地「吉野貯木」が広がり、原木市場や製材所が数多く建ち並んでいます。

 

吉野スギを専門に取り扱う製材所『高橋商店』では、直径30〜60㎝の丸太から、寺社仏閣や茶室、一般住宅から公共施設などで取り扱う建材を切り出しています。木目や大きさ、それぞれに個性のある原木を、用途にそって均一なものに揃えて切り出すその技術はまさに職人技。

職人たちの真剣な眼差しから、「奈良の木」への熱い想いが伝わってきます。最後にそんな現場や職人技を目にしたかつおさんにお話を伺いました。

━吉野町・高橋商店を撮影して

製材所に足を踏み入れると、吉野スギのやさしい香りに包まれると同時に、丸太を製材する迫力のある音に圧倒されました。轟音の中、静かに吉野スギと向き合い続ける職人たち。その香りと音、そして職人たちのひたむきな心が、「奈良の木」の長い歴史なのだと感じました。

かつお(仁科勝介)

 

写真家が切り取る写真の数々は、「奈良の木」の新たな一面を見せてくれるはず。「写真家が切り取る“奈良の木”」ぜひ次回もお楽しみに。

INFORMATION 吉野杉専門製材所 高橋商店
住所 〒639-3118 奈良県吉野郡吉野町橋屋125
電話番号 0746-32-2806

 

URL http://yoshinosugi-takahashi.com/
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Text by 奈良の木のこと編集部
Photo by かつお(仁科勝介)

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