事業者で取り組まれた記紀・万葉

奈良女子大学・ホテル日航奈良 コラボ企画

奈良女子大学・ホテル日航奈良 コラボ企画

奈良女子大学の学生が主体となって行う「奈良の食プロジェクト」と、ホテル日航奈良(奈良市三条本町8-1)は、共同研究の一環として、コラボランチ「万葉御膳~奈香味(なごみ)」を制作しました。
「記紀・万葉プロジェクト」と連動して、『万葉集』を取り上げながら奈良のおいしい食材や奈良の観光をPRする「万葉御膳」。2ヶ月ごとに、奈良にまつわる季節の万葉歌をチョイスし、歌の情景を、素材や味、盛りつけなどで表現します。同ホテルの和処「よしの」で販売中です。

「万葉御膳」を食べたあと、「万葉歌ゆかりの地に行ってみようかな」と思ってもらえたらうれしい

奈良女子大学 2年 山下実菜美さんホテル日航奈良の企画室の方が、私たちの活動のことを知っておられて、「『記紀・万葉プロジェクト』につながる、食の企画をやりたい」とお話を頂いたのが、この企画の始まりです。
私たちは、料理長やスタッフの皆さんと一緒にメニューを考え、ヘルシーで健康的なせいろ蒸しや、豆乳と豆腐で作ったブランマンジェを提案させて頂きました。

また、せいろ蒸しのソースは、「季節に合った万葉歌を選び、それにちなんだオリジナルソースを作る」ということにチャレンジしました。
正直なところ、私はそれまで『万葉集』をきちんと読んだことがなくて、歌を選ぶのに、その深い意味を理解するのが大変でした。春がテーマなのに、そうとは知らず、すごく悲しい歌を選んでしまったり…なんてことも。企画室の方にも色々と教えて頂きました。
今回の万葉歌は、春の訪れを感じる桜がテーマです。桜と関連のある食材を使ったソースを考えるのは、難しかったけど、とても楽しかったです。

6種類のソースとランチョンマット最終的にできあがったオリジナルソースは、桜塩とほうじ茶を夜桜に見立てた「夜桜塩」や、酒粕ベースの「大和桜」、佐保川に流れる花びらをイメージした「佐保川創酢(ソース)」など6種類。お花見をイメージした前菜などと合わせて、春の訪れを感じて頂けるようなメニューになったと思います。食事を楽しみながら、万葉歌の話題で会話をはずませて頂きたいですね。
5月、6月にはまた違う万葉歌がテーマになるので、その歌に合った新しいソースになります。

また、この企画では、お料理を食べるだけでなく、その万葉歌ゆかりのスポットを観光面でPRしたい、という狙いもありました。そこで、万葉歌の説明や、ゆかりの地の写真などをレイアウトしたランチョンマットを作成しました。お食事前に読んで、食べ終わるころには「佐保川に行ってみようかな」となって頂ければ、うれしいです。

私自身、今までは『万葉集』や『古事記』はテストのために勉強するもの、というイメージだったんですけど、この企画を機に「この場所には、こういう句があったんだ」とか、今まで知らなかったことを発見できて、記紀・万葉がとても身近になりました。

奈良には、食も場所も、良い所がたくさんあります。この御膳を食べて、他県の人はもちろん、奈良に住んでいる人にも、もっと奈良の良い所を知って頂けたらうれしいですし、私たち女子大生ならではの視点で考えたお料理、というものも楽しんで頂けたらと思います。

ホテル日航奈良「よしの」料理長 田中準二さんより

この企画の相談を受けた時、和食のランチで何かできるのでは、と提案しました。日本的な「記紀・万葉」を、和食と一緒に打ち出すことで、その魅力が一層出せると考えたからです。
「奈香味」という名前には、「食べて和んでほしい」という思いや、奈良の女の子たちが考えた味、という雰囲気をイメージしています。

万葉御膳「奈香味(なごみ)」「万葉御膳」は、特に女性のお客様に好評です。お野菜がたくさん食べられてヘルシー。しかも、いろんな食材が楽しめるからでしょう。ご予約の際に「女子大コラボやってますか?」と言われることが多くて、奈良女子大学さんの名前が、このメニューと共に広まっているのがよく分かります。
このメニューを楽しんで食べて頂くことで、奈良の食の発信源になっていきたいなと思っています。

奈良の食プロジェクトとは
奈良の「食」の魅力や「地産地消」を広めるため、奈良女子大学の学生が中心となって、2008年から進められているプロジェクトです。学部や学年に関係なく参加でき、奈良の食材を活かしたオリジナル商品を企業と共同開発したり、イベントに参加したりするなどの活動をしています。



関連情報