記紀・万葉講座

日本書紀の光と影

日本書紀を語る講演会 第3回 橿原市

2015年12月12日(土)13時30分~15時00分
会場・奈良県社会福祉総合センター 大ホール
講師・作家 五木 寛之(いつきひろゆき)氏
演題・日本書紀の光と影

パンフレットにリンク


 

講演の内容

私が『日本書紀』と向き合うとき、忘れられないのが、国文学者・小島憲之先生だ。先生の本質は、著書「ことばの重み」に示された「暗愁」という言葉にある。人間存在の根底に触れるような憂いをいい、その想いで『日本書紀』を読むことで、『日本書紀』は、陰影に富んだ、光と影に彩られた人間のドラマとして蘇る。生涯をかけて『日本書紀』と向き合われた先生の情熱を想像すると『日本書紀』に対する憧憬が深まってくるのだ。


 

 


【講師プロフィール】
五木 寛之(いつき・ひろゆき)/作家
1932年、福岡県生まれ。戦後、北朝鮮より引き揚げ。早稲田大学文学部ロシア文学科中退。
1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門・筑豊編』ほかで吉川英治文学賞を受賞。2010年、NHK放送文化賞、長編小説『親鸞』で第64回毎日出版文化賞特別賞受賞。
1981年より休筆、京都の龍谷大学において仏教史を学ぶが、1985年より執筆を再開し、泉鏡花文学賞、吉川栄治文学賞、その他選考委員をつとめる。