記紀・万葉集とは?
『古事記』『日本書紀』『万葉集』はいずれも奈良時代に完成したとされ、当時の出来事を知るには欠かすことのできない文献です。
残念ながら3つとも原本は伝わっていませんが、後世の写本を経て、その内容については現代にまで伝えられています。
古事記(こじき)
日本最古の古典。現存するわが国最古の歴史書。神代(かみよ)の物語や、国の成り立ちにまつわる出来事を記した書物。「こじき」、あるいは、「ふることぶみ」と読みます。
日本書紀(にほんしょき)
わが国最初の勅撰(ちょくせん)の史書とされます。神代(かみよ)から持統(じとう)天皇11(697)年までの出来事などが記されています。帝紀・旧辞、諸氏族の記録、寺院の縁起、中国の史書、百済(くだら)の関係記録など当時の文献を幅広く参考にし、まとめられました。『日本書紀』には天武天皇が川嶋皇子・忍壁皇子(おさかべのみこ)ら12人に作成を命じたこと、『続日本紀』には720年に完成し、舎人親王(とねりしんのう)によって奏上されたと記されています。
万葉集(まんようしゅう)
現存する日本最古の歌集で、20巻約4500首が収録されています。そのうち奈良の地名が詠み込まれた歌は約900首にも及びます。約100年間にわたり、天皇・貴族から兵士や農民などさまざまな身分の人が詠んだ歌が幅広く採られているのが特徴です。奈良時代の貴族である大伴家持(おおとものやかもち)が編纂に関わったと考えられており、最後の歌は759年に詠まれました。