「なんと(南都)きれいな平城京」という語呂合わせがなつかしいという方もおられるだろう。710年、藤原京から平城京へと都は遷された。
ときの元明天皇の遷都の詔には「四禽図に叶う」という一文があり、北、東、西がそれぞれ山に囲まれ、南が開けた場所で、都を置くには理想の地であるとされた。平城京は、712年に『古事記』が元明天皇に、720年に『日本書紀』が元正天皇に献上された地でもある。
その後、聖武天皇の時代に、一時的に恭仁京、紫香楽宮、難波京に都が遷ったこともあったが、784年に長岡京を経て、794年に平安京に遷都するまでの70余年、国の中心はここ平城京にあった。平安遷都以降は田畑となったが、明治以降に平城京の測量や保存運動が興り、1952年には特別史跡に指定され、1998年には平城宮跡を含む「古都奈良の文化財」が世界遺産に登録された。2010年に平城遷都1300年祭が行われ、第一次大極殿が復原された。