山の辺の道にまつわる悲恋物語を「日本書紀」は伝えます。時は5世紀末。石上あたりの豪族・物部氏の娘だった影媛が、時の権力者によって殺された恋人の死を嘆き、ひとり泣きながら山の辺の道を北へ駆けていったといわれています。 そんな古代の出来事に思いを偲ばせながら、また、静かなたたずまいに耳をかたむけながら歩くと、いつもと違う自分に出会えるかもしれません
破石バス停〜天理駅まで約18km 高低差約80m
古くから神聖視されていた御蓋山に、平城遷都にともない都の守護の為、茨城の鹿島神宮から武甕槌命(たけみかづちのみこと)を迎えたのが始まりといわれています。その後、千葉の香取神宮から経津主命(ふつぬしのみこと)、大阪の枚岡神社から天児屋根命(あめのこやねのみこと)、比売神(ひめがみ)を迎え神護景雲2年(768)にこれら四座の神々を現在の地に祀り社殿が創建されました。平安時代には現在のような規模の社殿が整い、藤原氏をはじめ貴族などの「春日もうで」がさかんに行われました。鎌倉時代からは庶民の信仰も盛んになり、人々から石燈籠や釣燈籠が寄進されました。現在、毎年2月の節分の日と8月14・15日に行われる万燈籠では、すべての燈籠に火が灯され、幻想的な美しさに多くの参拝者が訪れます。また、4月中旬~5月上旬には、春日大社萬葉植物園(神苑)など境内で早咲き遅咲きの藤の花が華麗に咲き、なかでも直会殿前の「砂ずりの藤」(見頃は5月上旬)は見事です。 【開門時間】 夏期(4月〜9月) 6:00〜18:00 冬期(10月〜3月) 6:30〜17:00 ※諸行事の際は変更 【本殿前特別参拝】 ◆受付時間:8:30~16:00 ◆拝観料:500円 【国宝殿】 ◆開館時間:9:00~17:00 ※入館は16:30まで ◆入場料:一般500円、大学生・高校生300円、中学生・小学生200円 【萬葉植物園(神苑)】 ◆開園時間:3月~10月 9:00~16:30 (17:00閉門)、11月~2月 9:00~16:00 (16:30閉門) ◆定休日:3月~11月 無休、12月~2月 月曜(ただし、祝日等と重なった場合は翌日) ◆入園料:大人 500円、 小人 250円
【住所】 奈良市春日野町160 【TEL】 0742-22-7788
寺名の「新」とは「あたらしい」ではなく、仏の霊験が「あらたか」という意味で、天平19年(747)に光明皇后が、夫の聖武天皇の眼病平癒を願って創建されたと伝えられています。当初は、東西二基の塔が建ち並び、七堂伽藍が整う大寺でしたが、平安時代の落雷や台風によりほとんどの建物が消失してしまいました。しかし、創建当時から残る本堂では、日本最古最大の十二神将立像が本尊の薬師如来像をお守りしており、天平文化を感じることができる静かな古刹です。また、萩の寺としても有名で、秋にはたくさんの花を見ることができます。
【住所】 奈良市高畑町1352 【TEL】 0742- 22-3736
約半世紀にわたり奈良大和路の風物を撮り続けた写真家・入江泰吉氏が、全作品を奈良市に寄贈したのを機に、市民や奈良を訪れる方々に、入江作品をはじめ多様な写真作品を鑑賞していただこうと、奈良市が平成4年4月に開設しました。美術館では、心の原風景を追い求めた入江泰吉氏の作品を保存し、順次公開すると共に、その他の写真作品収集や企画展を中心に展開しています。ショップやティールームも併設していますのでゆっくりと奈良を感じていただけます。 【略歴】明治38年(1905)奈良市生まれ。昭和6年(1931)、大阪に写真店「光芸社」を開き、文楽の写真家として活躍。昭和20年(1945)3月の大阪大空襲で自宅兼店舗を全焼し、ふるさとの奈良へ引き揚げる。同年11月、疎開先から戻される東大寺法華堂四天王像を目撃、アメリカに接収されるとの噂を聞き、写真に記録することを決意。以後、奈良大和路の仏像、風景、伝統行事などの撮影に専念した。平成4年(1992)1月16日、逝去。享年86歳。
【住所】 奈良県高畑町600-1 【TEL】 0742-22-9811
霊亀元年(715)、高円山の西麓にあった志貴皇子(天智天皇の第7皇子)の山荘跡を寺としたのが始まりと伝えられ、宝蔵には、珍しい閻魔王坐像があり迫力のある表情をご覧いただけます。境内からは、奈良市街を見渡すことができ、すばらしい眺望を楽しむことができます。また、春は奈良三名椿のひとつである五色椿(県の天然記念物)が美しい花を咲かせ、秋には萩の花が境内を彩ります。
【住所】 奈良市白毫寺町392 【TEL】 0742-26-3392
正暦2年(991)、一条天皇の発願により兼俊僧正(関白藤原兼家の子)が創建したと伝えられています。かつては、堂塔伽藍が建ち並ぶ大寺でしたが、現在は本堂・鐘楼・福寿院が残されており、菩提仙川の渓流に沿う山道に続く、苔むした石垣から大寺の様子をしのぶことができます。秋は紅葉がとても美しく、辺りは「錦の里」ともいわれています。また、「日本清酒発祥の地」としても知られ、今から500年ほど前に正暦寺で開発された「菩提もと」と呼ばれる酒母が日本酒造史上の一大技術革新であり、この寺で造られていた「僧坊酒」が現在の清酒造りの原点とされています。
【住所】 奈良市菩提山町157 【TEL】 0742-62-9569
平安時代初期の創建で、神秘的な二つの伝説が今に残されています。一つは『嵯峨天皇の夢枕に老人があらわれ「奈良の南に霊山がある。もろもろの仏があらわれて、お経の声がたえない。ここに寺を建てて衆生を利益されたい。」と告げられた。夢から目覚めその地を探されたところ現在の虚空蔵山にあたる場所がわかり建立された』というもの、もう一つは『虚空蔵山に流星が落ちるのを見た弘法大師が霊山として開基した』というものが伝わっています。弘仁寺は、古くから「十三詣り」(毎年4月13日)で知られており、数え年13歳になった子供が知恵を授けてもらうため今も賑わっています。本堂外陣には、数学者の石田算楽軒の門弟らが奉納しためずらしい「算額」が2枚掲げられています。
【住所】 奈良市虚空蔵町46 【TEL】 0742-62-9303
文徳天皇の皇后には、永い間子供が生まれず、春日明神のお告げで帯解子安地蔵菩薩にお祈りされたところ、間もなく御懐妊し惟仁親王(のちの清和天皇)を安産されました。天皇は喜ばれ、天安2年(858)に伽藍を建立して寺号を改め、無事に帯が解けた寺、「帯解寺」とされたと伝わっています。安産祈願のお寺として名高く、徳川三代将軍家光が祈願して竹千代丸(のちの四代将軍家綱)を安産で授かり、仏像仏具などを寄進しました。最近では、美智子皇后・雅子皇太子妃・秋篠宮紀子妃殿下にも安産の腹帯を献納しており、今も全国から多くの人々が安産祈願に訪れます。
【住所】 奈良市今市町734 【TEL】 0742-61-3861
後水尾天皇の第一皇女文智内親王の創建とされる円照寺は、美しい尼寺として知られ、斑鳩の中宮寺、佐保路の法華寺と並ぶ大和三門跡の一つです。もともとは、京都に草庵を結んだのが始まりですが、後に大和八島に、そして寛文9年(1669)に現在の地に移されて、「山村御殿」とも呼ばれるようになりました。門内の拝観はできませんが、万葉歌碑が二つ建てられている参道は自由に見学することができ、静かな空気を感じることができます。華道「山村御流」の家元としても知られています。
天理市には2つのダムがあり、一つは、市内中東部、大和青垣の中腹で梅や桜が咲き誇る天理ダム。そしてもう一つが、市内北部、東海自然歩道沿いで広がる水面と山系が、訪れる人をゆるやかに迎えてくれるこの白川ダムです。また、白川ダムから少し迂回すれば名阪国道の上を通る道路があり、歩道もあるので、橋の上から見る東の山並みまた西の平野部の一味違う景色が楽しめます。
【住所】 天理市和爾町875-1 【TEL】 0743-65-1655(奈良土木事務所 工務課)
5世紀末、ひとりの美しい媛(豪族・物部氏の娘:影媛)をめぐり、ふたりの男性が争った悲劇を「日本書紀」は、伝えています。争ったのはときの皇太子(のちの武列天皇)と朝廷の権力者・平群真鳥臣の子、鮪(しび)。叶わぬ恋と知り、皇太子は鮪を平城山に追いつめ殺してしまう。影媛は山の辺の道を北へ追い、そこで恋人の無残な死を見て歌った=影媛あわれ=。その中に出てくる「布留の高橋」が、この橋だといわれています。
【住所】 天理市布留町 【TEL】 0743-63-1001(天理市商工観光課)
日本最古の神社。鬱蒼とした杉木立に囲まれた参道を過ぎると、放し飼いにされた鶏がやさしく迎えてくれます。かつての、古代豪族物部氏の総氏神で、国宝の「七支刀」(「しちしとう」または「ななつさやのたち」)をはじめ、貴重な文化財が数多く今に伝わります。また、南北へ通づる「山の辺の道」の起終点でもあり、「石上」「布留」に纏わる万葉集ゆかりの地でもあります。
【住所】 天理市布留町384 【TEL】 0743-62-0900
1930年に設立され、世界各地の生活文化資料や考古美術資料などを所蔵する博物館です。収蔵する資料は、約30万点を数え、2001年に現在の場所に移転し、約30,000点が常時展示されています。今となっては現地でも見ることのできない、様々な時代で使用されていた貴重な資料の迫力は、一見の価値があります。また特別展や企画展のほか、公開講座「トーク・サンコーカン」、学芸員の仕事を体験する「ワークショップ」などが行われています。
【住所】 天理市守目堂町250 【TEL】 0743-63-8414
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