まとめ記事

2019.03.22

定番から新世代日本酒まで!時代を築いた日本酒と吉野スギの歴史を振り返る

国産材のブランドのひとつである奈良県の吉野スギ。そんな吉野スギの歴史の中には、吉野スギを使った酒樽に良質な酒が詰められ、船によって江戸へと運ばれていた時代があります。酒にスギの上品な香りが移ることによって、独特の風味が漂う、先人の知恵と歴史が詰まったこの製法こそが「樽酒(清酒)」の始まりとされています。

古の都、奈良には独自の酒造りを続けてきた伝統と歴史のある、老舗の酒蔵が多く存在し、近年では、新たな取り組みとして型にハマらない酒造りで、若者にも受けるフレッシュでフルーティーな新世代日本酒も注目されています。今回は、そんな清酒の発祥の地である、奈良の吉野スギから生まれた樽酒とともに、奈良県の新世代日本酒をあわせてご紹介します。

創業360年!江戸時代から続く「菊正宗酒造」と吉野スギの歴史

  • 樽びん誕生50年記念して設立された工房「樽酒マイスターファクトリー」

創業360年の歴史を持つ、兵庫県・菊正宗酒造は、その長い歴史に基づく「生酛造り」で長年吉野スギを使用する日本酒の代表ブランドです。節が少なく、年輪がまっすぐで細やかな吉野スギは、古くから酒樽の最高品質の素材として重宝され、そのこだわりの厳選素材と菊正宗の確かな製法で作られた本格派辛口酒『樽酒』は、まさに極上の一品。

樽酒というと“鏡開き”など式典のイメージがありますが、濃密でありながらも爽快で奥深い味わいは、洋食や中華など味の濃いお料理によくあうので、ふだんの食中酒としてもお楽しみいただけます。本格派辛口のキリッとした味わいと爽快な吉野スギの香りは、心地良いひとときを届けてくれそうです。

INFORMATION
価格 菊正宗 純米樽酒1800ml / 2110円、720ml / 923円、300ml / 407円
樽酒ネオカップ 180ml / 209円(全て税抜)
製造会社 菊正宗酒造株式会社(〒658-0046 神戸市東灘区御影本町1-7-15)

吉野の風土に寄り添う「美吉野醸造」の銘酒

  • 吉野川の対岸から臨む美吉野醸造

奈良県南部を流れる清流・吉野川に面した近鉄吉野線「六田駅」から徒歩6分の場所にある美吉野醸造(みよしのじょうぞう)は、その自然豊かな吉野の恩恵を受け、手造りだからこそできる「米の旨味が伝わる酒」を醸している銘酒の蔵です。

この醸造で代々大切に受け継がれてきた『花巴(はなともえ)』は、その山深い立地ゆえの上質な酸をまとい熟成された米の旨味がギュッと詰まったコクとキレを楽しめる食中酒です。飲み方は、豊かな米のうまみが膨らむお燗がおすすめ。吉野の自然の風味を閉じ込めた熱燗は、身も心も温かく癒してくれますよ。

INFORMATION
価格 花巴正宗 純米燗好み1800ml / 2400円、720ml / 1,200円(全て税抜)
製造会社 美吉野醸造株式会社(〒639-3116 奈良県吉野郡吉野町六田1238−1)

お酒も器も吉野スギづくし!お祝いや門出のプレゼントにぴったりな「かおりすぎます」

紀伊半島の中央部から南部にかけて、三重、奈良、和歌山の3県にまたがる「吉野熊野国立公園」の入り口・吉野に位置する、明治元年創業の酒蔵やたがらす北岡本店。その広大な自然から生まれた清酒には、奥吉野の山々から注ぎ込まれた水と選び抜かれた良質の酒米を使用し、日本古来の酒造り技術が継承されています。代表酒でもある「八咫烏(やたがらす)」の由来は、日本の初代天皇である神武天皇が東征の際に熊野から大和に入る吉野の山中の道案内をしたとされるカラスのこと。吉野とかかわりの深い神武天皇の伝説にちなんで称し、吉野の土地とともに成長してきたのが「やたがらす北岡本店」です。

やたがらす北岡本店のおすすめは「八咫烏(やたがらす)純米樽酒 たる樽」。地元の吉野スギで作られた樽に、まろやかな口当たりの純米酒を肌添えさせた、香りひき立つ一品。常温からぬる燗でいただけば、すっきりとした辛口の飲み心地と吉野スギのほのかな香りが広がります。

樽酒シリーズの中でも特に人気なのが吉野スギの枡2つと吉野スギ板3枚がセットなった「かおりすぎます」。均一な木目の美しい枡は「枡枡繁盛(益々繁盛)」が込められた一品で、お祝いやこれからの門出の季節のプレゼントにぴったりです。夏はひんやり、冬はお燗で、吉野スギの香り豊かな味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。

INFORMATION
価格 八咫烏 純米 樽酒 たる樽 720ml / 1,058円、たる酒 かおりすぎます 500ml / 2,160円 (全て税込)
製造会社 株式会社北岡本店(〒639-3111奈良県吉野郡吉野町上市61)
電話番号 0746-32-2777
URL https://www.kitaoka-honten.com/

お米の旨みと果実のような香りがクセになる『風の森』

  • 酒蔵 油長酒造

奈良盆地の南端に位置し、西には大和葛城山、金剛山が連なる「御所市」は、遺跡や寺社仏閣が今も多く残る奈良の中でも歴史の深い地域です。そんな「御所市」の中心地、近鉄御所駅から徒歩10分ほどにある油長酒造(ゆうちょうしゅぞう)は、地元のお米を使い、醸造し、地元に寄り添う酒造りを行なってきた、1719年(享保4年)創業の歴史の深い酒蔵です。

フルーティーな香りとシュワッと広がる発泡感が人気の『風の森』は、奈良県産の飯米である秋津穂を使い、地下100mより汲み上げられた、金剛葛城山(こんごうかつらぎさん)の深層地下水で仕上げたワンランク上の新世代日本酒。まるでしぼりたてのようなお米の旨味と酸味の効いたフレッシュさは、飲みやすくクセになること間違いナシです。

INFORMATION
価格 風の森 秋津穂 純米しぼり華720ml / 1050円(税抜)
製造会社 油長酒造株式会社(〒639-2223奈良県御所市中本町1160)

歴史とロマンに溢れる「広陵町」の新世代日本酒

日本最古の木造建築として有名な「法隆寺」から車で約15分、古墳時代の史跡・名所に囲まれ歴史とロマンに溢れる奈良県広陵町。そんな広陵町にある長龍酒造(ちょうりょうしゅぞう)は、1964年に樽酒のびん詰め「吉野杉の樽酒」の開発に成功し、吉野スギを使った樽酒を全国に広めてきた、奈良の中でも歴史のある酒蔵です。その上質な奈良県産吉野スギを使った樽酒は、樽の香りが心地良く女性や若年層にも人気の高いお酒です。その他、ビンテージ純米酒「ふた穂」、「稲の国の稲の酒」など、伝統と文化を守りながらも新たな挑戦を続けてきたメーカーでもあります。

そんな長龍酒造のおすすめは、ほのかな甘さとスッキリ爽快なキレ味が特徴の『スパークリングSAKE粉雪(こなゆき)』。穏やかで優しい口当たりは女性に大人気。和食や洋食、肉料理、魚料理など、どんなお料理にでもあわせやすく、女子会やウチ飲みのお供におすすめですよ。

INFORMATION
価格 吉野杉の樽酒 1800ml / 2180円、720ml / 1020円、粉雪(こなゆき)スパークリング 250ml l / 400円(全て税抜)
製造会社 長龍酒造株式会社(〒635-0818 奈良県北葛城郡広陵町南4)

古くからの製法を今も受け継ぐ酒造りや、地元に寄り添い自然の恵みを生かした樽酒など、“奈良の木”と関わりの深い日本酒は、いつもの食卓や特別な席をより一層華やかにしてくれるはず。奈良の自然が育んだ香り豊かな日本酒で、至福の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

文・編集:明智沙苗

奈良の木のことのSNSをフォローして、
おすすめ情報をGETしよう!

  • facebook
  • twitter
  • instagram

その他の記事コンテンツ

まとめ記事

秋の味覚を堪能!古民家カフェから日本酒バーまで!奈良の食文化が楽しめるおすすめスポット5選!

長かった夏も終わりを迎え、風が涼しく心地よい季節になってきた今日この頃。山々に囲まれた自然豊かな奈良県は、日本酒発祥の地であり、大和野菜や大和肉鶏・大和牛・ヤマトポーク、ヒノヒカリなど自然の恵から生まれた食材が溢れる食の宝庫でもあります。

2018.09.14

お役立ち記事

知ると面白い!奈良の木が住まいになるまで。「山」と「市場」編

日本屈指の高い品質を誇る奈良の木。吉野スギ・吉野ヒノキに代表される奈良の木材は、私たちに癒しや温もりだけでなく、香りを感じたり触れたりすることで、心身ともに健康で快適な暮らしを与えてくれます。

2018.08.29

まとめ記事

夏本番!季節の変わり目にぴったりなインテリア雑貨と旬な作家をご紹介 #奈良の木のある暮らし

梅雨や日差しの強い日など不安定な天候が続くこの季節、春が終わり本格的な夏を迎えるのに身支度や身の回りの物を新しい装いにしたい時期です。そこで、奈良の木のことでは「インテリア」をテーマに食器や小物など普段の私たちの生活に身近な、自然に取り入れたい、奈良の木を使ったインテリア雑貨をご紹介します。さまざまなプロダクトに落とし込まれた奈良の木を使った作品と、その作品を手がける工房と作家さんにフィーチャーしてお届け。日々過ごす部屋だからこそ、自分だけのとっておきの空間を、こだわりの一品を見つけてみてください。

2018.07.20