インタビュー記事

2017.10.06

吉野材に包まれて過ごし心地良い時間に出会う、2つの場所

Two locations where you can enjoy being enveloped in the comfort of Yoshino lumber.

沉浸在吉野木中度過愜意時光的2個好去處。

沉浸在吉野木中度过惬意时光的2个好去处。

요시노 목재(吉野材)에 둘러싸인 기분좋은 한 때를 만날 수 있는 곳.

木材のまち、吉野町。灯台下暗しという言葉が表すように、総じて身近にあればその良さに気づかず過ごしがちだが、吉野町の人々は違う。吉野材の価値を知り、山や木に感謝して親しむことを、町民が自発的に行う。今回は、様々な取り組みを実践する注目のスポット、上市地区の“ゲストハウス『三奇楼』”と、三茶屋地区の“カフェがある図書スペース『木の子文庫』”を訪れた。

Yoshino town, a place of wood. Just as they say you can’t see the forest for the trees; it’s often true that people never see the wonder of the places close to them, but in Yoshino town that’s not true. Citizens are well aware of the beauty of local mountains and forest and strive to actively be engaged with nature. Recently we visited two locations involved in various activities Guesthouse “Sankirou” in Kamiichi district and “Ki no kobunko” a library café located in Mitsuchaya district.
木材之鎮—吉野町。正如俗話說的“久居蘭室,不聞其香”, 人們往往有容易忽略自己身邊好東西的傾向,但吉野町的人們不是這樣的。町民了解吉野木材的價值、自發性地感謝並親近山和木材。這次,我們采訪了進行各種努力而令人矚目的亮點,上市地區的青年旅館“三奇樓”和位於三茶屋地區的“有咖啡的圖書空間—木之子文庫”。
木材之镇—吉野町。正如俗话说的“久居兰室,不闻其香”, 人们往往有容易忽略自己身边好东西的倾向,但吉野町的人们不是这样的。町民了解吉野木材的价值、自发性地感谢并亲近山和木材。这次,我们采访了进行各种努力而令人瞩目的亮点,上市地区的青年旅馆“三奇楼”和位于三茶屋地区的“有咖啡的图书空间—木之子文库”。
목재 마을 요시노 정. 등잔밑이 어둡다라는 속담이 있듯, 늘 함께 있으면 좋은 점에 대해 놓치기 십상이다. 그러나 요시노 정 사람들은 다르다. 이 곳 사람들은 요시노 목재의 가치를 알고 산과 나무에 감사하고 자연친화적인 행동에 자발적이다. 이번에는 여러 움직임을 실천하고 있는 주목할만한 장소, 가미이치 지구에 있는 게스트 하우스 <산키로>와 미쓰차야 지구의 카페가 있는 도서 공간 <기노코분코>를 방문했다.

地元の良さに目を向け、古きを大切に新しきを創る移住体験スペース・ゲストハウス『三奇楼』

Sankirou is a place to see the merits of the local area where you can experience living in a location that treasures the old.

發揮本地優勢、既重視傳統又創新的移住體驗式青年旅館—“三奇樓”。

发挥本地优势、既重视传统又创新的移住体验式青年旅馆—“三奇楼”。

지역의 장점에 초점을 두어 오래된 것을 소중히하고 새로운 것을 창조하는 이주체험 공간&게스트 하우스 <산키로(三奇楼)>

酒蔵のある通りや細い路地がノスタルジックな気分にさせる町「上市」。かつては、東西の交通路として重要視され、今はなき中の島(吉野川の中州)では木材の市が行われ、活気ある商店街に、映画館まであった。また、伊勢街道筋で宿場町としても栄えたところ。4階建て純和風建築の小粋な料亭旅館「三奇楼」が繁盛したのもその頃。木材を運搬する筏師や旅人が疲れを癒したという。

時は過ぎ、空き家となった三奇楼を譲り受けたのは、「上市まちづくりの会リターンズ」会長の南達人さん。「約10年間も空き家だった、この素晴らしい建物をなんとかしたかった」と話すが、実際何に使えば良いのか悩んだという。結論は、移住の体験もできるゲストハウス。三奇楼を拠点に、この町が元気になる、そんな場所にしたいという。

しかし、「三奇桜」は10年間ですっかり荒れ果てていた。瓦が割れ、雨漏りがあるなど、傷みの具合が激しく、さらには水道や電気などのかなりの改修が必要だったためと、1年間の修繕期間を余儀なくされたが、このとき、上市まちづくりの会リターンズのメンバーは、さまざまな夢を描いていたという。その一つが吉野材を使うこと。南さん曰く「吉野材を使う空き家改修のモデルになればという思いがあった」と話す。

まずは、「三奇楼」料亭時代の展望デッキを復活させた。吉野川を望む景色の素晴らしさと、オールシーズンこの町を楽しめる場所をつくろうと、メンバーはもちろん、奈良県立高等技術専門校や近畿大学の学生にも手伝ってもらったという。木材は吉野スギを使い、8m×8mのウッドデッキを完成させた。

そして、洗面所には明るさを強調するために、吉野スギの内側の赤い部分ではなく外側の白い部分を使用し、お風呂は壁に吉野ヒノキを使用し、ハーフユニットというスタイルに。南さん曰く「本当は、吉野ヒノキの浴槽も考えましたが、乾燥させるのに時間がかかりカビが発生することなどを考えると衛生面が心配でした。浴槽と洗い場ぐらいは洗剤で掃除できるようにし、壁に吉野ヒノキを使用しています」。手入れに手間がかかるが、水には強く、香りが良い吉野ヒノキの良いとこどりをしたのが今回のハーフユニットだった。

ほかにも、ダイニングとキッチンの床には吉野スギを使用しているが、ここでひとつ面白い現象があるという。南さん曰く「吉野スギを感じるダイニングでは、ゆったり食事をしたり、コーヒーを飲みながらだったり、時間を忘れて話をしてしまいます。応接間では会議や打ち合わせで使う方が多いのかも、これって居ごこちの良さの違いでしょうね(笑)」。

吉野材の良さを、身をもって感じる人々がいる空間。人に寄り添うように存在する吉野スギや吉野ヒノキは、そこにあるだけで安心感が生まれる空間となる。

INFORMATION

三奇楼

住所 〒639-3111
奈良県吉野郡吉野町上市207
電話 0746-39-9207
URL http://sankirou.com/

お母さん目線で見守るスタッフがいる温かい空間 木の優しさを感じる“図書スペース『木の子文庫』”

Ki no kobunko has friendly staff that watch over you like family, and an environment where you can feel the calming effect of trees in their library space.

職員像媽媽一樣守護的溫暖空間 感受木材好處的“圖書空間—木之子文庫”。

职员像妈妈一样守护的温暖空间 感受木材好处的“图书空间—木之子文库”。

어머니의 마음으로 맞이하는 따뜻한 공간. 그리고 나무의 상냥함을 느낄 수 있는 도서 공간 <기노코분코(木の子文庫)>.

山々に囲まれた、宇陀方面から吉野町へ入る玄関口「三茶屋」。伊勢本街道に面した大きな駐車場の奥に、吉野材でつくられた看板が印象的な“図書スペース『木の子文庫』“がある。代表者は、3人の子どもを育て上げた、地元出身の上田由賀さん。いまから16年前、町内の育児サークルからはじまり、自分たちの地域に子ども達が本を楽しむための図書館が欲しいという思いを、さまざまな方々のサポートにより実現化していったという。

上田さんは「吉野町には、絵本や児童書をたくさん置いている図書館スペースがありませんでした。でも、東吉野で文庫をオープンされた方がいることを知り、無いのなら自分たちでつくればいいんだって思ったのがきっかけです」と話す。自ら勉強会を開催するなど行動を起こし、2つの書架と300冊の本からスタート。それから4度の引っ越しを経て現在の地へ。「以前は飲食店をしていた場所で、まずは掃除することから始まりました。私よりも手伝ってくれるお母さんたちや利用する方たちのニーズに合わせた空間づくりで、何より、この施設は吉野町の建物で、網代が組んであったり、大きな丸い柱があったり。とても良質の吉野材を使っていたので、それを活かしたいという思いがありました」と、上田さん。実家も嫁ぎ先も建具屋をされ、吉野材はとても身近な存在。若い時は、自ら間伐に行くなど個人的な活動もしたほど、吉野材には興味があったという。

はじまりは「子どもたちに本を」だったが、今では、吉野町のことを知ってほしいという思いも強く、店内には、吉野ヒノキを使った入って遊ぶ木のプールと木のボールや、吉野高校の生徒が手づくりする吉野スギの廃材を使った細長い形の積み木に、木のスプーンなど、さまざまな吉野材の遊び道具や小物が置かれている。

また、さをり織りの織機があり、スタッフや訪れた人が織り繋ぎ、カフェで使うコースターなどを織っているという。オープン2年目を迎えた今年は、4月に子どもたちと一緒にウッドデッキを完成させた。そして最近は、吉野町を探検して学ぶ「やまんびこ探検隊」を1ヶ月に1度開催。今夏は、貯木の町探検をテーマに、製材所や「吉野杉の家」などの見学をして、木材のまち「吉野町」を印象づける時間を過ごしたという。上田さんは「吉野町について知る本が少ないこともあり、この活動を一冊の本にまとめていきたい」と話す。

「手の届くところにあればいい」。上田さんは、「本にしても吉野材にしても、手の届くところにあるだけで、感じることができるだけでまずは良い」と話し、「人がそこにいなければ手に取れない。絵本は、お母さんが与えてくれなければ、子どもは出合うことができない。だから、本も吉野材も人が繋いでくれるものだ」と語る。本に出合い、吉野材と出合える木の空間は、いつ訪れても優しさに包まれている。

吉野スギや吉野ヒノキとともに育ち生きてきた人々が、身近にあるからこそ気づいた「吉野材の良さ」。2施設に行き触れるだけでも十分感じられる、吉野材による安らぎは、一度触れたらくせになるかもしれない。

INFORMATION

木の子文庫

住所 〒639-3321
奈良県吉野郡吉野町三茶屋328-1
電話 0746-39-9220
URL https://ja-jp.facebook.com/kinokobunko/

取材・文:土井淑子
写真:畑中勝如

奈良の木のことのSNSをフォローして、
おすすめ情報をGETしよう!

  • facebook
  • twitter
  • instagram

その他の記事コンテンツ

まとめ記事

吉野スギの魅力が溢れる、暮らしとこころを豊かにするインテリア家具まとめ#奈良の木のある暮らし

新生活が始まってからはや一ヶ月。慣れない職場や新しい環境にストレスを抱えている人も多いのではないでしょうか。そんな時、自宅は自分の時間を楽しむくつろぎの場所であり、こだわりたい空間です。

2018.05.11

まとめ記事

新生活におすすめのプロダクトまとめ!吉野スギ・吉野ヒノキの特徴が光る、贈り物にも喜ばれるアイテム勢揃い

4月は進学や就職、引越しなど、新たな生活が始まる季節。新生活をはじめた人へのお祝いや、周囲へのご挨拶にどんなものを贈るべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな時におすすめしたいのは、老若男女問わずに愛される、木製のシンプルなアイテム。

2018.04.20

レポート/インタビュー記事

<rooms EXPERIENCE 36>に奈良の木ブースが登場。こだわりの技法で家具を生み出すブランド「市 ichi 」と「studio Jig」に吉野スギの魅力を訊く。

アッシュ・ペー・フランスが主催する日本最大級のファッションとデザインの合同展示会<rooms EXPERIENCE 36>が、2月21日(水)~23日(金)の3日間、五反田TOCビルで開催されました。

2018.03.09