レポート記事

2018.01.15

【後編】伐採現場から特殊加工工場まで、現場で奈良の木の魅力を体感する<奈良の木見学ツアー>レポート

Part two: Experiencing the beauty of Naras trees, The Nara Tree Tour: From Tree felling to a tour of a processing site.

【後篇】從采伐現場到特殊加工工廠,能親臨現場感受到奈良木材魅力的“奈良木材參觀之旅”照片薈萃。

【后篇】从采伐现场到特殊加工工厂,能亲临现场感受到奈良木材魅力的“奈良木材参观之旅”照片荟萃。

[후편] 채벌 현장에서 특수가공 공장까지 현장에서 나라의 나무의 매력을 체감하는 <나라의 나무 견학 투어>리포트

奈良の林業の中心地である吉野地方で、川上から川下の現場を訪ねる<奈良の木見学ツアー>が開催されました。現場や工場の見学、各所の責任者による説明、質疑応答などを通して、奈良の木の現状や魅力をより深く知ることができた1泊2日の様子を前後編と2回に分けてお届けします。

In the Yoshino area the home of Nara’s lumber industry, the Nara Tree Tour has been started as an opportunity to learn about the beauty and current state of Nara trees through an overnight trip. The tour showcases locations all along the riverside, including field trips to factory and construction sites, explanations by specialists, Q&A and more. I will bring to you the details of this tour in two exciting parts.
“奈良木材參觀之旅”開始了。可以巡遊奈良林業中心的吉野地區、從川上到川下現場參觀。通過參觀現場和工廠、聽取各地負責人的說明答疑等活動、更加深入了解奈良木材的現狀及魅力。這次一夜二日活動的場景分成前篇及後篇分二次展示給大家。
“奈良木材参观之旅”开始了。可以巡游奈良林业中心的吉野地区、从川上到川下现场参观。通过参观现场和工厂、听取各地负责人的说明答疑等活动、更加深入了解奈良木材的现状及魅力。这次一夜二日活动的场景分成前篇及后篇分二次展示给大家。
나라 임업의 중심지인 요시노 지역에서 강 상류부터 하류의 현장을 방문하는 <나라의 나무 견학 투어>가 개최되었습니다. 현장과 공장의 견학 그리고 각 장소의 책임자가 설명하고 질의응답하는 시간을 통해 나라의 나무의 현주소와 매력을 좀 더 깊게 알 수 있었던 1박2일의 모습을 전후편으로 나누어 전해드립니다.
見学ツアー行程
  • 11月30日(木)(株)徳田銘木 → 吉野杉の家
  • 12月1日(金)川上村の伐採現場 →(株)丸商店 →(株)櫻井

“吉野林業発祥の地で樹齢約110年の吉野スギの伐採を見学

Watch the felling of 110 year old Yoshino cedar trees at the birthplace of the Yoshino lumber industry.

參觀吉野林業發祥地樹齡達110年的吉野杉的采伐

参观吉野林业发祥地树龄达110年的吉野杉的采伐

요시노 임업의 발상지로 수령 약110년의 요시노 삼목을 벌채하는 현장 견학

2日目の朝は、このツアーの目玉となる伐採現場の見学へ。吉野林業発祥の地でもある奈良県吉野郡川上村へ向かいます。吉野町を下り、大滝ダムを過ぎてさらに上流へ、川沿いに続く険しい道を車で40分ほど走ると、伐採の準備をする“山守”、下西さんたちの姿が見えてきました。

“山守”とは、それぞれの山の持ち主である“山主”から山の管理を託され木々を守りながら育てる、吉野林業にとって必要不可欠な存在。山守制度は、江戸時代の中〜後期頃に始まったといわれています。代々の山守が手をかけて守り育てた木を次の世代へと受け継ぐことで、銘木と呼ばれる吉野のスギやヒノキが送り出されてきたのです。

  • 山守(カクキチ木材商店 代表):下西洋三氏

この日、伐採されたのは樹齢約110年、胴回りが2m余り、高さは30mほどにもなる吉野スギ。倒す方向が決められると、危険のない場所へ誘導してもらい、至近距離で伐採の様子を見ることができました。

参加者全員が静かに見守る中、2人の職人が手際良く作業を進行。1人が倒す方向からロープをかけて引き、もう1人がチェーンソーで倒す側の幹の根元を豪快に切り込み、“受け口”をつくります。何度目かの切り込みが幹をえぐるように入ったところで、ロープを引っ張る方向に少しずつ木が傾き、今度は、反対側から勢いよく“追い口”と呼ばれる切り込みを。

木の様子を見ていると、チェーンソーの刃が幹の中程まで進んだかというところでエンジン音が止み、ミシミシっという音が山に響きました。

そして次第にメキメキっと大きな音を立てながら、先程まで見上げていた幹が地面を振るわせ倒れます。それまで静かに一部始終を見つめていた参加者ですが、凄まじい地響きの圧倒的な迫力にどこからともなく拍手が起き、中には感動したのか涙ぐむ人も。

さらにこの後、樹齢約110年の吉野スギの伐採をもう1本見ることができ、伐採したばかりの切株を実際に間近で見て触ることもできました。近付くとスギの香りが漂い、触るとしっとりと手に吸い付くような優しい感触。とても細かく美しい年輪が刻まれています。倒された木は、この後、山で3か月~半年ほど乾燥させて原木の市場へと運ばれるそうです。貴重な瞬間に立ち会えたことに感謝しながら、山を後にしました。

吉野材と輸入材の利点を活かした集成材を生産する『丸商店』

Maru shouten, creating blended lumber making use to the best of Yoshino and imported woods.

發揮吉野木材與進口木材各自特點生產復合板的“丸商店”

发挥吉野木材与进口木材各自特点生产复合板的“丸商店”

요시노 목재(吉野材)와 수입재의 이점을 살린 집성재를 생산하는 <마루쇼텐(丸商店)>

午後は、吉野の製材工場が立ち並ぶ「吉野貯木」と呼ばれる地域へ向かいます。吉野川の中流沿岸にあたるこの地域は、川上の山で伐採された原木が運ばれ材木の市場が開かれる場所。工場の数は最盛期に比べ約半数になったそうですが、今も多くの木材加工業者が集まっています。

今回訪れた「丸商店」は、オーダーに合わせた集成材の製造会社。仕入れが安定している輸入材に、上質な吉野材を薄く加工して貼る“化粧ばり”という技術で、見栄え良くコストパフォーマンスに優れた製品を生産しています。

大型商業施設や寺社仏閣、映像撮影のセットなど用途は多彩。受注生産で、サイズや形はもちろん、表面に貼る“ツキ板”の厚さも0.3~5mmまで注文に合わせて対応しているとのこと。外に貼る吉野材は1つの木材を薄くスライスして使うので、木目の模様が揃ったものを大量につくることができる点も強みだと言います。

  • 株式会社 丸商店 営業課長:丸充彦氏

芯材にツキ板を練付けするプレス機械、ツキ板を薄くスライスする機械など、大規模な設備がある工場のほか、職人が手作業で材の表面を磨いたり、複雑な形状の木製品を作ったりする特殊加工部門も。

機械加工から職人による繊細な手仕事まで、ニーズに合わせて、柔軟に対応できる技術が詰まった工場でした。

INFORMATION

株式会社 丸商店

住所 〒639-3114
奈良県吉野郡吉野町丹治69
電話 0746-32-2301
詳細はこちら http://www.marushouten.co.jp/

最新の乾燥機を導入し、吉野材の魅力を発信する『株式会社 櫻井』

Sakurai Inc. uses the newest drying technology to showcase the beauty of Yoshino lumber.

引進最新的幹燥機、展現吉野木材魅力的“株式會社 櫻井”

引进最新的干燥机、展现吉野木材魅力的“株式会社 樱井”

최신 건조기를 도입해 요시노 목재의 매력을 전하는<주식회사 사쿠라이(櫻井)>

ツアーの最後に訪れたのは「株式会社 櫻井」。長年集成材を手がけてきましたが、近年は無垢材の生産に力を入れています。そのきっかけは、まだ国内で2か所しか使われてないという“減圧乾燥機”の導入です。

木材を良質な建材として出荷するためには、乾燥という工程が欠かせません。乾燥の方法には、自然に乾かす天然乾燥と機械を使って乾かす人工乾燥の2種類があります。人工乾燥を用いる場合、天然乾燥と比べて短い時間で乾燥させることができますが、高温で乾燥させる従来の方法では、木の油が抜けて本来のツヤや色が損なわれてしまいます。

しかし減圧乾燥機は、機内を低気圧にして水の沸点を下げ、低い温度で木の中の水分を蒸発させることができるというもの。芯まで乾燥させながら、吉野材の魅力である色やツヤ、香りを残したまま、木材に割れが起きないことが利点です。「現時点では最良の乾燥方法」と、櫻井社長は言います。

  • 株式会社 櫻井 代表取締役: 櫻井信孝氏

震災などに耐えられる強い家を望む購買者の声に対して、一本物の吉野材を使ってほしいという思いから、減圧乾燥機で仕上げた無垢材を1本1本、強度と含水率を計測した上で選別して、良質な建材として出荷しています。

見学の最後は、自社の無垢材と集成材の両方を組み合わせた梁が印象的な会議室へ。「完成から半年以上経ってもズレなどが生じていないことが品質の証明」と、自社の仕事に誇りを持って語る櫻井会長のお話も聞くことができました。

  • 株式会社 櫻井 代表取締役会長: 櫻井昭三氏
INFORMATION

株式会社 櫻井

住所 〒639-3114
奈良県吉野郡吉野町丹治15-1
電話 0746-32-0563
詳細はこちら http://www2.gol.com/users/marushou11/comp/index.html

今回は関東圏の建築関係者を対象に参加者を募集。ツアー後、参加者からは「生産者のこだわりを感じることができた」、「後日、個人的にアポを取ってお話を聞きたい」など、今後への広がりが期待できる声を聞くことができました。

奈良の木にまつわる場所を訪ねて、林業・木材産業の現場をめぐった<奈良の木見学ツアー>。ツアーの様子をみて興味を持たれた方は、ぜひ奈良、吉野へ足を運んでみてくださいね。

取材 ・ 文 : 岩永茜
写真 : 鈴木誠一

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