ギャラリー クローズアップ

ARCHITECTURE 子どもたちに、吉野の誇りを 吉野中学校

吉野の自然を、そのまま学校の中に。
明るく開放的な空間を

緑の山々に囲まれた、真っ白なコンクリートの建物。しかし中へ入ってみると、天井や階段、手すり、床…あらゆる場所に奈良の木が用いられており、陽光に照らされたスギのやわらかな色味やヒノキの美しいツヤが、目に飛び込んできます。とくに印象的なのは、「ふれあいモール」と名付けられた100mにもおよぶヒノキの廊下。高窓から光が降り注ぎ、風が吹き抜けるとても開放的なこの廊下は、休み時間になると生徒や教職員たちが集い、交流する場になっているそうです。学校にいながら自然を感じられるこの吉野中学校は、山々に囲まれた吉野という場所にふさわしい人と人を結ぶ学び場なのです。

奈良の木で、自分の机を組み立てる。 「愛・学習机プロジェクト」が育む 木と人々のつながり

地元の自然を大切にしている吉野中学校では、2014年から「愛・学習机プロジェクト」という取り組みを行っています。入学直前の春休みに新1年生たちが学校に集まり、地元の林業や木の製品づくりについて学習した後、一人ひとつ、これから3年間を毎日ともに過ごす自分の机を組み立てるのです。実はこの机の天板部は、地元・吉野のヒノキでつくられています。「地元を知り、社会とのつながりを大切にしてほしい」。吉野中学校に関わる方をはじめ、林業関係者、商社、デザイナーなど多くの人々の願いがこの取り組みに込められています。
やがて、3年後に迎える卒業式。生徒たちは自分の机の天板部を外し、家へと持ち帰ります。誰が始めたのか、最近ではそこにメッセージを書き合うのが恒例になっているのだとか。何年か先に、その天板部を見たとき、心に刻まれた中学時代の楽しい思い出や吉野の風景がきっとよみがえってくることでしょう。

VOICE FROM 「自分の机」という、愛情 〔吉野中学校 1年生〕

学校のにおいは、木のにおい。もう慣れたけれど、ふとした瞬間に「木ってすごく良いにおいだなぁ」と思います。「愛・学習机プロジェクト」でつくった机は、みんな落書きしたり、傷つけたりせずに、3年間大切に使います。愛着のわいた自分の机を友だちの机と交換することになったら、絶対にイヤ。自分でつくった自分の机だからこそ、落ち着いて勉強できると思います。

INFORMATION

吉野町立吉野中学校

ADDRESS
奈良県吉野郡吉野町河原屋200