Company
日本ウッドバーニング協会
「ウッドバーニング」
事務局 加藤雄三氏
作家 髙梨真澄氏
「焼絵」という表現技法をご存知でしょうか。木や紙に焼きごてで焦げ目をつけ、その濃淡で絵を描く手法です。あまり知られていないかもしれませんが、実は焼絵の愛好者は世界中にいます。日本でも文武天皇の704年にはすでに焼絵を行っていた記録があり、非常に古くから愛されてきた芸術なのです。残念ながら日本の画壇では、近代に入ると「日本画か油彩以外は絵ではない」といった風潮が強くなり、絵なのか、工芸なのかが曖昧な焼絵は絵と認められずに、手掛ける作家が徐々にいなくなったと言われています。ところが、この一度は途絶えたと思われた焼絵が、いま密かなブームを起こしているのだとか。現代では焼絵ではなく、「ウッドバーニング」という名称で楽しむ人が増えているようです。「数年前から、SNSで自分の作品をアップする人が急激に増えました。純粋に絵として描く人もいれば、木製スプーンなどの装飾として手掛ける人も多いですよ」と語るのは、日本ウッドバーニング協会事務局の加藤さん。確かにWebで検索してみると、想像以上に多様な作品例が出てきます。しかし、どうしていまウッドバーニングの魅力にハマる人が増えているのでしょうか。「焦げの濃淡だけで表現する手法は水墨画にも通じるところがあり、一見地味ですがいくら見ても飽きない深みがあるんですよ。日本人本来の気質に合っているのかも知れません」と加藤さんはおっしゃいます。また濃淡だけで表現するほかに、絵の具などで着色し、より印象的な作品を仕上げることもできます。