古事記のまつり
古事記のまつり
平成30年1月13日(土)
会場・奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~
「第5回 古事記のまつり」では、『古事記』の中の一節を、好きなスタイルで自由に詠んでいただく「古事記朗唱大会」と、『古事記』の名場面を紹介したかるたを使った「こども古事記かるた大会」の2つの大会を開催。古事記にゆかりの深い島根県の「石見神楽」の上演など、様々な催しで『古事記』に親しんでいただくイベントです。
古事記朗唱大会
会場・奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~ 能楽ホール
開演13時45分/終演17時45分
プログラム
13時45分
●主催者挨拶・朗唱
奈良県知事 荒井 正吾
13時55分
●オープニング朗唱
古事記朗誦家 大小田 さくら子
14時20分
●市町村長朗唱
- 【1組目】大和郡山市長 上田 清
桜井市長 松井 正剛
宇陀市長 竹内 幹郎
- 【2組目】上牧町長 今中 富夫
王寺町長 平井 康之
広陵町長 山村 吉由
河合町長 岡井 康徳
14時45分
●参加者朗唱(32組)
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大会の開会にあたり、荒井知事が主催者挨拶を行い、国文祭・障文祭なら2017のイメージソングの歌詞にもなった「望郷の歌」を朗唱しました。
オープニング朗唱では、古事記朗誦家の大小田さくら子さんが見事な朗唱を披露され、古事記朗誦のための「あおうえい発声法」の実演と、会場全員で声を出して「天地の創成」の場面の朗唱を行いました。観客を含めた会場全体で朗唱を行ったことにより、多くの方に『古事記』を声に出して詠む楽しさや喜びを味わっていただけたのではないでしょうか。
その後、『古事記』にゆかりのある県内7の市町村長が2組に分かれて登壇し、「建御雷神と国譲り」と「神武東征」の一節を朗唱され、市町村長自ら朗唱大会を盛り上げていただきました。
市町村長朗唱の後は県内外からお集まりいただいた一般参加者32組による参加者朗唱が行われました。音楽や寸劇などそれぞれに趣向を凝らして『古事記』を表現。短い持ち時間の中で、非常に見ごたえのあるパフォーマンスが繰り広げられました。
また、今回の「古事記朗唱大会」では、最も人気のある朗唱者を決定するファン投票を行いました。以下のファン投票結果よりご覧ください。
古事記朗唱大会 ファン投票結果
最も人気のある朗唱者を決定するファン投票を行った結果、上位3組を発表します。上位3組には記紀・万葉グッズをお送りいたします。たくさんのご投票ありがとうございました。
※有効投票数470票
西大和保育園未来組
万葉小楽師
子どもミュージカル
CLAP CLAP FANTASY
こども古事記かるた大会
会場・奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~ レセプションホール
開会12時00分/終了17時00分
プログラム
12時00分 開会式
主催者挨拶 / 奈良県地域振興部長 村田 崇
競技ルールの紹介 / 奈良県かるた協会 北野 嘉文
選手宣誓 / 飯田真帆さん 山崎僚子さん
12時15分 低学年の部予選(3試合)
13時35分 中学年の部予選(3試合)
14時55分 高学年の部予選(3試合)
16時15分 決勝トーナメント(準決勝・決勝)
16時55分 成績発表、表彰式
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リズム感ある文言と親しみやすいイラストで『古事記』の名場面を楽しめる「なら記紀・万葉 古事記かるた」を使用した、小学生対象のかるた大会です。
今年度から募集人数を3倍に増やして開催しました。県内外から抽選で選ばれた128人の小学生が出場し、低学年・中学年・高学年のグループ別に2人1組(もしくは3人1組)となって対戦。天平衣装に身を包んだ奈良女子大学放送局の皆さんに、司会と読み手を務めていただきました。予選3回の対戦により獲得した合計枚数で、低学年・中学年・高学年の各部上位4名が決勝トーナメントに進出。決勝トーナメントを勝ち抜いた各部上位4名(優勝1名、準優勝1名、3位2名)に記念カップが授与され、せんとくんも駆けつけて勝利をお祝いしました。かるた遊びを通じて、多くのこども達が『古事記』に親しみました。
石見神楽
会場・奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~ 能楽ホール
一部 開演13時00分/終演13時30分
二部 開演17時15分/終演17時45分
演目解説
一部 天岩戸
天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、弟・須佐之男命(すさのおのみこと)の乱暴に困り天の岩戸の中にお隠れになったので、世の中すべてが闇夜となり多くの禍(わざわい)が起こりました。そこで神々は集まって相談され、天の宇津女命を呼んでおどらせ、長鳴鳥(ながなきどり)を鳴かせるなどして賑わいを出しました。
これを不思議に思った天照大御神が岩戸を少し開けたところを、大力の手力男命(たぢからおのみこと)が岩戸を開き天照大御神を迎え出す事に成功。再び世の中を明るく照らしはじめ、世は平和を取り戻しました。
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二部 八岐大蛇
高天原を追われた須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲の国 斐の川(斐伊川)にさしかかると、嘆き悲しむ老夫婦と稲田姫に出会う。理由を尋ねると、八岐(やまた)の大蛇が毎年現れ、既に7人の娘が攫(さら)われ、残ったこの稲田姫もやがてその大蛇に攫(さら)われてしまうと言う。
一計を案じた須佐之男命は、種々の木の実で醸した毒酒を飲ませ酔ったところを退治する。そのとき、大蛇の尾から出た剣を『天の村雲の剣(あめむらくもつるぎ)』と名づけ、天照大御神(あまてらすおおみかみ)に捧げ、稲田姫と結ばれる。
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『古事記』に関連の深い島根県から有福神楽保持者会の皆様にお越しいただき、石見神楽「天岩戸」「八岐大蛇」を披露していただきました。有福神楽は明和年間(1764年)頃神職とともに舞い始めたことがその始まりです。『荒平(あらひら)』『尊神(そんじん)』『関山(せきやま)』『諸太刀(もろたち)』など他の社中ではあまり舞われない演目を保持している社中で昭和39年島根県無形文化財の指定を受けています。
『古事記』の有名な場面である「天岩戸」「八岐大蛇」を能舞台上で力強く表現していただき、観客の皆さんは熱心に見入っていました。『古事記』を通じて、奈良から遠く離れた石見神楽を奈良で楽しむことができ、「古事記のまつり」にふさわしい舞台となりました。