弘法大師空海は、774年讃岐国屏風浦(現在の香川県善通寺市)に、地方豪族である佐伯田公(さえきのたぎみ)の次男として生を受けました。母方は阿刀氏で、幼名は眞魚(まお)。高級官僚などを養成するための教育機関である大学寮で学ぶことをめざし、788年に平城京(長岡京に遷都された後ではあったが、まだ首都機能は残っていたといわれる)に上りました。上京当初には、中央佐伯氏の一族で正三位の貴族、佐伯今毛人(さえきのいまえみし)が建立した氏寺の佐伯院に滞在。その佐伯院は、平城京の外京になる五条六坊にあったとされ、現在のJR桜井線京終(きょうばて)駅の北西数百メートルの辺りだと推定されます。
佐伯院推定地
(奈良市西木辻町付近)