ならまち(奈良町)は、奈良市の中心市街地南部に位置する、歴史的町並みが残る地域の通称です。狭い街路に、江戸時代以降の町屋が数多く建ち並んでいます。ほぼ全域が元興寺の旧境内にあたります。ならまち界隈では春日講(しゅんにちこう、かすがこう)と呼ばれる春日信仰の講社があります。礼拝の多くの場合、さまざまな形の「春日曼荼羅」を掲げて行われます。春日大社の鳥瞰図を描いた「宮曼荼羅」、神様を背中に乗せた神鹿を描いた「鹿曼荼羅」、春日と興福寺を描いた「社寺曼荼羅」、あるいは「春日赤童子」の像などが、それぞれの町や村の講社の本尊として伝えられてきています。
「春日曼荼羅」は奈良国立博物館の展覧会や春日大社宝物殿(改築のため平成28年6月末まで閉館中)で展示されることがあります。
春日宮曼荼羅
奈良国立博物館
「おん祭と春日信仰の美術【特集】威儀物一神前のかざり一」より